泣いちゃダメ。【呪術廻戦】【狗巻棘】

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Aside

桐箱を胸ポケットにしまう。
行方不明者を捜しに行こうとしたら、棘くんに腕を掴まれた。

「おかか…」
「え、でもまだ」
「……ツナ」

そう言って指さされたのは、ひっそりとレールの陰に落ちていた、人の右腕。
喰いかけか……

皮膚が少しめくれていて、筋肉組織が見える。
食いちぎられた跡からは、腕の骨やら神経やらが、赤黒い肉から少しだけ出ているのがまた気持ち悪い。

思わず棘くんの服を握りしめる。
足が竦む。
震えが止まらない。
吐き気がする。

「1人…で、いいんだよね？」
「しゃけ」

思わず俯く。
こんな現場を見たことがなかったのに、特級術師になると豪語した自分が馬鹿らしい。
自分はこんなにも浅はかで、無知なんだ。
そう、思い知った。

不意に、ツンツンと肩を突かれる。


『A、』


『呪術師になると、こういう現場にたくさん立ち会うことになる』


『もっと酷い殺され方をされてたとしても、行かなきゃいけない』


『遺体が残ってなくても、行かなきゃいけない』


『俺らでしか、呪いを祓えないから』


『こういう言い方するのもあれだけど、』


『慣れて』


『もっと辛い思いをしている人もいる』


『だから、』







『耐えて』




−−−−−
柄じゃないけど宣伝します。

うゆにの雑談。

ヒマ！！ってなったら見てみて下さい…

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