女子トイレの花子さん壱 ページ2
チャイムが鳴る。
今日もまた、憂鬱な一日が始まる。
「A、おはよー。」
「…おはよう。」
「どしたの?なんか元気ないね。」
「なんでだろう…ちょっとね、具合が悪いような。」
その日はなにかいつもと違うような朝だった。いつもと違うような目線を感じた。
誰もいない廊下なのにたくさんのなにかがいるような。
だけどそれが気になっても学園はいつものように時間が流れていく。私もそれを追いかけるように、いつも通りに学園生活を送るしかない。
2時限目の授業の休み時間。なんだかずっと居心地の悪かった私は、ひとりになって落ち着きたかった。
トイレに入り、個室の鍵を閉め、スカートに手を当てて、用を足そうとスカートをまくろうとした…その時、
学生服の男子と目が合った。
「きゃああああアアアアアア!!!!
変態!!!」
気づくとそう叫んでいた。女子トイレの個室の中に男子がいるなんてありえない。しかもこちらを見ているなんて!
それでも彼は何があったかわからない様子でキョトンと見ているので、
「出てって!!」と叩いた。いや叩いたつもりだった。
しかし、私の手が彼に触れることは無かった。
よく見るとその男子は透けていて、ふわふわ浮いている。
「!?!?」
あまりのことに、私は今日悩んでいたことも、用を足したかったことも忘れて頭が真っ白になった。
「ネー、俺のこと見えるの?」
「ぎゃあああああああああ!!ユーレイ!!
変態幽霊!!」
「おっ、やっぱ俺のこと見えるんだ。珍しいね。
でも変態は心外だなー。俺は自分の境界にいるだけなんだけど。」
「変態!!!私のト、トイレ覗いてたでしょ…」
私の涙目の訴えに対して変態幽霊は更に衝撃的な言葉を放つ。
「えーでもいつものコトだよ。俺いつも女子トイレにいるし。見慣れてるし。」
も、もう学校のトイレ入らない…!
「最低!!
み、源先輩は女子トイレの掃除してて文句言われてるけどあなたは…ありえない!!いつでも女子トイレにいるなんて…!」
「え、少年のこと知ってるんだ!少年も有名なんだなー。」
「源先輩と知り合いなの!?なんで!?どこで知り合ったの??」
「君の名前を教えてくれたら話すよ。
名前は?」
「な、なにそれ…!
いや、…………名前はA。教えて。」
「あんなに嫌がってたのにすんなり教えてくれるんだね。よろしく、A。」
「源先輩のことが知りたいだけ…!」
「俺はトイレの花子さん。この学園の七不思議の7番目。」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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柊莉(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品凄くいいですね!これからも投稿頑張ってください!応援してます! (2019年8月11日 19時) (レス) id: 9e24c738b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなも | 作成日時:2019年7月11日 16時