透明、鮮明、独り言【銀魂】

作り笑い【銀さんside】 ページ7

【銀さんside】



名前もまだ知らないソイツが、


『ここに住み込みで働かせて下さい。』


なんて言った時は驚いたが、そいつを受け入れることに何故か嫌悪感は無かった。


俺が返事をすると、ソイツは驚いた様で。しかし、二つ返事でokをした。


これでまた、此処が騒がしくなる。


そういやぁ名前をまだ聞いて無かったな。



「おい。お前、名前は？」


そいつは小さくボソッと


「村瀬A。」


そうとだけ答えた。



「ふーん…宜しくな。A。」



すると、Aは意外だったのか、目を見開いた。



「…私の名前、久しぶりに呼ばれた。」

「どういう事だ？」

「…！あ、いや、何でもない。」



申し訳無さそうな作り笑いを浮かべて下を向いた。


その作り笑いはとても乾いてて。
とても慣れている気がした。



(何かあったんだろうな。)


少し気になったが、それは無視して、白黒の漫画に目を通した。

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