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ベッドにゴロンと寝っ転がった私はスマホを見つめる。まさか連絡帳に福田雄一監督の名前が入るだなんて思いもしなかった、過ぎてしまったことは仕方がない、私はそう思いながら父のLINEを開いて返信を返した。

ガチャリと寝室の扉が開いて中に入ってきた亮くんは「電気消すぞ〜」といって消灯してくれたので、私はスマホを置いて布団の中に入る。

「今日はお疲れ様」

そう言いながら一緒の布団に潜ってきた亮くんは私の髪をとかして頰を撫でた。

『亮くんもお疲れ様、ごめんね、なんか厄介なことになっちゃって』

一般人として世間に公表されている私だが、実は七海真の実娘で映画出演、だなんて笑えない話だ。亮くんのマネージャーさんは急いで社長さんに連絡を取ってくれて、上の方で話が進んでいるらしい。

どうなるかは、私も亮くんもわからない。

「大丈夫、俺からしたらこんなに可愛くて自慢な彼女をを世間に紹介できて嬉しいんだけど」

『バカなの??』

「バカじゃねーし」

そういってケタケタ笑う彼は、掛け布団を私の肩まで持ち上げてくれた。

『あと、パパのこと黙っててごめん』

「平気だよ、それにAから聞いてた話を七海さんに当てはめると地味にピッタリくるし笑っちゃいそうになるんだけど」

『まだ撮影一緒にするの??』

「映画はないけど、ドラマ版の方で出るみたい」

『この間いってたやつ??』

「そー」

何役で出るのだろうか、顔はかっこいいのに意外とコメディにも出る父の姿を思い出す。いや、そこがファンの心を鷲掴んでいるんだろうけど、我が父ながら振り幅の広い人物だ。

「あー、それにしてもAの赤ちゃんの頃可愛かったなあ」

『もう忘れてくれていいんだけど』

「やだ、永久保存」

『恥ずかしいじゃん』

福田監督が「そういえば七海くん、昔に娘がCM出たとか言ってなかった??割と話題になったよね」と思い出したように呟いたのが発端だ。遥か昔、と言っても20年ほど前に流れていた洗濯剤のCMで、七海真が愛娘と共演、として一時期話題になったらしい。というか当時の記憶など全くない。

しかし今やインターネットで検索をすれば、何故か私が出ていたCMが出てきた。

それを本人の目の前で「可愛い可愛い」と呟きながら全員が一つの携帯に釘付けになるあの様子は、当人からすればホラー間違いない。

『もう寝るよ』

「はいはい、おやすみ」

『おやすみ』

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〜空〜(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2020年12月18日 18時) (レス) id: 0dde4696e9 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新待ってます! (2020年10月7日 0時) (レス) id: 1c6164a0e9 (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - Chiroruさん» ありがとうございます!!ご指摘ありがとうございます、どうしてもズレてしまうようで汗 これからもご愛読よろしくお願いいたします!! (2020年8月13日 18時) (レス) id: 51c364b744 (このIDを非表示/違反報告)
Chiroru - monoさん!毎日更新されるのがたのしみです!!また、23、24、23となってます! (2020年8月7日 23時) (レス) id: d654b36b98 (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - uka8502さん» ありがとうございます! (2020年8月3日 14時) (レス) id: 51c364b744 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mono | 作成日時:2020年7月26日 20時

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