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[吉沢side]
有難いことに自他共に認める多忙で、幾つもの映画やドラマの撮影が溜まっており中々家でゆっくりする時間がない。おかげでAとイチャイチャする時間もないわけだけど、どうやら向こうも仕事が忙しいらしい。
京都の方まで撮影に出ていたのでこの家に帰ってくるのは4日ぶりくらいになる、0時を回っているし疲れて寝ていることも考慮して静かに鍵を開けて部屋に入るが、どうやらまだ起きているようでリビングの明かりはついていた。
「ただいま、まだ起きてたんだ??」
『おかえり、死ぬほど眠たいけどね』
シャワーは浴びたらしくパジャマ姿でパソコンと数枚のプリントと睨めっこする彼女はもう疲労しきっていた。クマは酷いし顔色も悪い。
「あんまり無理すんなよ??」
『亮くんもね、お風呂沸いてるよ』
「まじ、ありがと」
こちらをチラリと見たきりでひらりと手を振る彼女に、俺は少し寂しさを感じながらも風呂場に向かった。お風呂にゆっくり浸かってさっぱりしてからリビングに戻れば午前1時手前、それでもリビングにいる彼女は只管パソコンを睨んでいた。
「...A、寝よう??」
『まだ終わってなくて...』
「急ぎ??」
『ではないけど...』
そう言いながら不安そうに瞬きをした彼女の目線に合わせるようにしゃがんで頭を撫でた。
「今日はおしまい、クマも酷いからちゃんと睡眠はとろう、な??」
『...分かった』
渋々と返事をした彼女は書類をまとめてパソコンを閉じた。そんな彼女に安心して俺はため息をつくと、彼女の背中を押すように寝室に入ると、一緒に布団の中に潜った。
『...亮くん』
「なぁに」
静かに呼ばれた名前に返事をするが中々口を開かない。もぞもぞと動いた彼女は俺の腕の中に入ってきたので、ギュウといつもより少し強めに抱きしめた。
「どうしたんだーい??」
『ふふ...あのね』
「うん」
『もしかしたら、仕事辞めることになるかも』
その言葉に俺は「そうなの??」と少し驚いて返すと、俺の胸元に顔を埋めてる彼女はそこでモゴモゴと小さく呟いた。
『っていうか、会社が倒産するかも』
「まじ??」
『まだわかんないけど』
少し手の震えてる彼女に気がついて、俺はぎゅっとその手も握って「お仕事してなくても大丈夫だよ、俺稼いでるし」と伝える。
『そういうことじゃないの』
「どういうこと??」
『...家でのんびりしてるのは暇』
「なるほど」
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〜空〜(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2020年12月18日 18時) (レス) id: 0dde4696e9 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新待ってます! (2020年10月7日 0時) (レス) id: 1c6164a0e9 (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - Chiroruさん» ありがとうございます!!ご指摘ありがとうございます、どうしてもズレてしまうようで汗 これからもご愛読よろしくお願いいたします!! (2020年8月13日 18時) (レス) id: 51c364b744 (このIDを非表示/違反報告)
Chiroru - monoさん!毎日更新されるのがたのしみです!!また、23、24、23となってます! (2020年8月7日 23時) (レス) id: d654b36b98 (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - uka8502さん» ありがとうございます! (2020年8月3日 14時) (レス) id: 51c364b744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mono | 作成日時:2020年7月26日 20時