裏 の 関 係

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いっくんsaid




事務所に行くと、
今日は機嫌の悪いヒカルさん。




さっきから机を指でタンタンやっている。




そしてスマホの画面を何度もチラチラ見ている。




「彼女っすか？」




ヒ「そんな感じや」




そんな感じ？




彼女じゃないってこと？




ヒ「裏返しとくから通知音なったら持ってきてくれんか？編集するわ。表にするなよ」




この時は単にヒカルさんが彼女とのLINEを見られたく無いのかと思っていた。




隣の部屋に入っていくヒカルさん。




しばらくしてピロンッとなるスマホ。




言われたことを忘れて見てしまった。




“当分会えそうにないけど、夜とか隙間時間でいいなら会えるかも”




絵文字も何もない文章。




そのまま勢いでトーク画面を開いてしまった。




付いてしまった既読はもうどうしょうもない。




諦めて少しだけ上にスライドさせた。




驚くほど淡々としたやり取り。




そして見つけてしまった。




ヒカルさんとこのLINE相手の決定的な証拠。




“ホテルで先に待ってるから。絶対彼女にバレないようにしてね”




この人は彼女じゃない。




…浮気相手だ。




ヒカルさんの彼女はヒカルさんのことを本気で考えてくれていた。




最近会えない、と寂しいそうに言っていた横顔が思い出される。




何してんすか、ヒカルさん。

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