U w a k i - 浮気 - Reo . S

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REO side





こうして始まった俺らの秘密の関係

俺はいわゆる、Aちゃんの“ 浮気相手 ”

それでも彼女と一緒に居られるなら


少しでも不安や淋しさを取り除いてあげられるならそれでも良かった




俺はそんな歪んだ愛でも構わない





隼「 玲於、おはよう 」

「 はよ 今日早くね？」





Aちゃんと同じ時間に家を出たから、いつもより事務所に着いたのに

隼のやつ もう来てんの。珍しいな

司会進行の時はよく先に来て打ち合わせしてるけど






隼「 コーヒー飲んだ？」

「 いや、飲んでないけど 」


隼「 なんか玲於からコーヒーの香りする 」


「 あー… それ俺じゃなくて 」






朝、俺の家で朝食を作ってくれたAちゃん

ティーバッグタイプのコーヒーを持ち歩いてて、朝からそれを飲んでた

隼のやつコーヒーオタクだから 余計に敏感なんだよな






隼「 え、誰かいたの？玲於ん家 」


「 まぁ、うん 」





そんな会話をしながら2人でエレベーターに乗り込む

俺の口の中には微かにコーヒーの味を感じて
飲んでないのにおかしいな、と思ったら

そうじゃん、俺ら朝からガッツリ … キスしたわ

そん時に移ったのかな、なんてちょっとニヤける






隼「 … それって俺聞いていい相手？」


「 ダメな相手 」


隼「 … やっぱり？」






ホントは話したくて仕方がないよ

実はAちゃん眠いと甘えん坊になって
擦り寄ってきて可愛いんだよ、とか

朝から新婚さんみたいに朝食作って貰ったんだよ、とか

めっちゃ惚気を聞かせてやりたいのに






…





剛典「 おぉ！玲於と隼じゃん！」


「 ガンさん！おはようございますっ」


隼「 おはようございます！」






エレベーターが着いたフロアにはELLYさんとガンさんが居て

確か三代目さんも今日集まってるんだっけな、

てことは … 臣さんもいる、よな？





剛典「 なんか玲於、いい匂いする 」


「 え、今日何も付けてないっすよ 」


隼「 コーヒー系の香りですか？」


剛典「 いや、違う。なんか女の子みたいな … 」





ガンさんを、動物に例えるとしたら

間違いなく … 仔犬。






「 電車で隣に座った子の香水じゃないですかね 」


剛典「 あー、なるほど！」





Aちゃんはあんまり香水を付けない

衣装に香りが移るからダメなんだって


だけど 今日みたいなオフの日は付けるんだ、って
確か今朝そう聞いた





… 誰も知らない、 Aちゃんの香り。





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