U w a k i - 浮気 - Reo . S

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YOU side





広臣は慣れた足取りで部屋に上がり、寝室まで行く

ベッドサイドの置いてあるピアスを手に取ると
“ やっぱりここにあった ” と笑う




『 置いてたなんて、知らなかった 』


広臣「 俺ん家にないなら此処しかねぇな、って思ってさ 」






そんなこと言って、他の女の家にも落とし物や忘れ物 … あるでしょう？



広臣が帰って来てくれて、ホントはめちゃくちゃ嬉しいはずなのに

どこか、早く帰ってくれないかな って

思ってしまうの






広臣「 つか、後輩は？どこいんの 」


『 あ、今ね お風呂入ってる 』


広臣「 そっか、今日はお客さんいるし もう帰るよ 」


『 うん、見られないうちに帰らなきゃ … バレちゃうから 』






私と広臣が付き合っていることを知ってるのは
LDHの関係者さんたち、所属メンバーさんたち。

メディアにも、世間にも公表してないから

私たちの関係は秘密というルールがある


よかった、今はそれを理由に広臣を帰せるから






広臣「 後輩なのに、知らないの？俺たちの関係 」


『 うん、私が誰にも言ってないから … 』


広臣「 A、秘密主義だもんな 」







私の事務所の人はマネージャーさんしか知らない

付き合った時から誰にも言わないって決めてたの

私の付き合ってる相手が登坂広臣だと知ったら
きっと交際を反対されるから …


身内の誰かがリークしたら、すぐに記事になる


だから私は極力内密に広臣と交際をしていた






広臣「 じゃ、俺行くわ 」


『 今度こそ、気を付けてね 』


広臣「 … お見送りのキス、今日はしてくんないの？」






普段ならそんなこと言われたら

ドキドキして、恥ずかしくて
でも大好きな気持ちが苦しくなるのに


今日は、この家に玲於くんが居るって考えたら

すぐそこに居て、聞いてるかもって思ったら





『 っ … ん、ちょ 臣 』


広臣「 何、いつもはAからもしてくれんのに 」





何故か、私の好きだった広臣とのさりげないキスも

戸惑ってしまうの





『 無事に帰って来るまで、お預け。ね？』


広臣「 ちぇ、焦らすなよ 」






今日だけは

ううん、広臣が居ないこの1週間だけは

どうか私を許して 広臣





広臣「 じゃ、俺行くわ 」


『 うん、気を付けて 』





彼を見送った後、私はただ呆然と立ち尽くした

悲しくも辛くもないのに 何故か苦しくて

ただ涙が溢れてきた






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