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五条side
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母「…A、誠悟も来てるのよ？」
Aはピクリと反応して、ドアの方を見た。
お義父さんは廊下で待っているであろう、誠悟を呼びに言った。
僕は邪魔をしないように壁際に立ち待つ。
するとすぐにドアが開いて、龍生と華夜ちゃんが入ってきた。
２人は僕と目が開うと軽く会釈をしてきた。
誠悟は龍生の足に抱きついて、僕をチラッと見るとすぐに目線を反らして、ベッドにいるAを見た。
「…誠悟…おいで？」
誠「っ！ママっ！！」
Aが愛おしそうに笑顔を浮かべて手を差し出すと、誠悟はベッドに乗り上がる勢いで抱きついた。
誠「ママ、だいじょーぶ？目いたい？すぐなおる？」
「大丈夫だよ、誠悟の顔見たら元気になってきた」
誠「ほんと？ほんと？」
彼女の穏やかな笑みを見たのはいつぶりだろうか。
自分は彼女の一番になりたかった、特別になりたかった……今思えば、僕は特別だった。
彼女の優しさも、愛おしそうな目も表情も、愛情も…最初から全て貰っていた。己の欲で曇った目で見ていて、気づかずいたなんて…今更遅い。
「そうだ、誠悟、ここの病院の購買にパン屋さんが入っててね、そこのメロンパンがすごく美味しいらしいの」
誠「ぼく、メロンパン大好き！」
「ふふっ、そうでしょ？
ママも食べてみたいから、半分こしない？」
誠「する！する！」
「じゃぁ…お父さんと買ってきて？」
誠「うん！」
『あ、じゃぁ…』
誠「おとーさんいこっ！」
龍「こら、病院では静かに」
『ーｯ!!』
華「えっ、あっ…私も行ってきますっ」
自分の事だと思い、誠悟と手を繋ごうと手を伸ばしかけたが、誠悟は迷わず龍生の手を引っ張って病室を出て行ってしまった。
ﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞ…と心臓が音を立てる。
とたんに湧いてくる汗。
誠悟の中で父親という認識は龍生にしか向いておらず、自分は父親ではないと烙印を押された。
見向きもされず、父として片鱗は無く……本当に誠悟が父親という存在を欲していたのが理解できた。
本当に誠悟は自ら選んだのだと…現実を叩きつけられた。
やり直す…？
本当にやり直せるのか？
とたんに襲ってくる焦燥感。
息子が自分の元から去ってしまった喪失感。
目の前が真っ暗になる…
チラッとAを見ると、僕を嘲笑うかのよう口角を上げていた。
“貴方に家族なんていない”
手にした幸せはあっという間に手をすり抜けていった。
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椎(プロフ) - 五条さんがクズすぎて許せない部分もあったのですが、それでも主人公を愛している気持ちは本当のものだからと思うと、涙が止まらず号泣でした。 (2022年3月1日 22時) (
レス) @page49 id: 4e7f65b0c2 (このIDを非表示/違反報告)
にききまる(プロフ) - これほどまでにクズの五条にあったことない。まじ恨む。来世では地獄みてほしいと願うほど主人公に感情移入しました (2022年2月7日 14時) (レス) id: f079bcdbdb (このIDを非表示/違反報告)
匿名ちゃん - 愛しくて苦しくて、久しぶりに号泣してしまいました。皆幸せになれますように…。2度目の人生読むのが楽しみです。 (2022年1月3日 3時) (レス) @page50 id: 63e70122d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - (続き)凄く可哀想になってきて、毎回全員が幸せになってほしいなって思いながら読んでました。１度目の人生の最後の方やばかったです(涙が)思い出すと切なくて堪らないです、、もっと書きたいことあるのに文章纏まらない…wこの作品を作って下さり本当に感謝です！！ (2021年12月13日 12時) (レス) id: 785d5edaec (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - はじめまして。毎日楽しみにしながら読んでました！この作品大好きです。ここに感想まとめさせて頂きます。夢小説で泣けたのはこの作品が初めてでした。私の推しがｸｽﾞ過ぎるのに超お気に入りの作品です！笑 愛桜、憎いだけの奴だったんですが、読み進めるごとに (2021年12月13日 12時) (レス) id: 785d5edaec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪椿
| 作成日時：2021年9月22日 20時
