☆394 ページ40
・
〜大和side〜
・・・・・・。
・・・・・・・・。
や”ま”どぉぉぉおおおお！！！！
あまりにも五月蝿くて目を開けた。
何事かと身体を起こそうと思ったけど、それはできなかった。涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃの・・・お父さんがいたから。
「目を開けてやまとおおおお！！お前までいなくなったらっ！！俺はぁぁあああ！」
「お父さん、うるさい」
「目覚めて第一発声それ！？・・・大和くん反抗期？それともみことが死んでショックでグレた？？」
「反抗期じゃないし・・・」
「けど心配したんだぞぉ！？お前の姿見えなくて探したらこんなとこで倒れてたしっ・・・どこも痛くないか！？病院行くか！？」
そう言われて辺りを見渡す。確かにボクはお姉ちゃんのお気に入りの場所の一つである、鯉の池の前で倒れていたようだ。・・・そうだ。ボクは悲しくて、ここの水面を見つめていたら・・・。
龍神様のお告げを聞いて、あの世界に・・・。
「……病院はいいよ。心配かけてごめんね。・・・ところで、お姉ちゃんは？」
「……葬式の準備もあるからな。みことの部屋にいるよ」
「……一緒に行こう。話したいことがあるんだ」
「？お、おう………って大和！一人で行ったらつまずくぞ！？」
「大丈夫」
ボクは家の段差や階段を難なく歩く。
・・・だって、目が見えている。
初めて見る家。初めて見たお父さんの顔。・・・そして、
「……おねえちゃん」
おねえちゃんの、顔。
布団の中で眠っている顔はとても安らかで、黒くて少しハネっ毛の髪も、あっちの世界で見たのと同じ。
後ろからお父さんが向かってくる足音が聞こえた。
「ねえ、お父さん。お姉ちゃんはね、とっても強い人だったよ」
「……え？」
「強くて、かっこよくて、人のために何でもできて…。最後は、笑ってたんだ」
「…大和？」
「……ボクね。お姉ちゃんが笑っていた夢を見ていたんだ。長い時間、大切な人たちと過ごして、最後は守って死んでいったの…。でもね、とても誇り高い姿だった。・・・ボクは、そんなお姉ちゃんに幸せになってほしかった」
「……大和？？」
「……お父さん。……お姉ちゃんが死んじゃったのは、とても悲しいけど……。もう大丈夫だよ。お姉ちゃん、今度は幸せになるから」
「………大和、お前…」
大和の父、武(たける)は、みことの見つめる大和の背中を、ただ見つめながら、耳を傾けた。
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おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - うう…感動した…これ書籍化して欲しい！ (2019年4月17日 0時) (
レス) id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - はじめまして！1からすべて読ませていただきました！最後のほうなんかはもうボロボロ泣いて読んでました笑 この小説でバーダックが好きになりました！また次の作品も読ませていただきたいと思います！！ (2018年11月28日 13時) (レス) id: 2f5a2fbd1b (このIDを非表示/違反報告)
降る家 - 十六夜月夜さん» ありがとうございます！正直、数年かけたというより、更新遅らせて数年掛かった作品ですが(苦笑)、読者のみなさんが待ってくださったことに感謝しています。番外編のページも作る予定なので、またお会いしましょう！ (2018年9月16日 21時) (レス) id: 23637d11a4 (このIDを非表示/違反報告)
降る家 - 木乃さん» 今までありがとうございました！実は最後に龍空と菜々乃には登場してもらおうと思ってました！あくまで、「成り代わりの道には進まず、生きる二人」であり、やまとと仲良くDB友達になる未来へ進む。という意味も籠めてのエピローグなんです！番外編でお会いしましょう！ (2018年9月16日 21時) (レス) id: 23637d11a4 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 降る家さん、今までお疲れ様でした！数年掛けて完結した作品...憧れます！ (2018年9月1日 21時) (レス) id: f9bc2076b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：降る家 | 作成日時：2017年10月1日 16時
