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・
「…………」
沈黙が流れる。
その言葉の意味を理解できずにいる者、その言葉に何か違和感を感じるもの、
困惑するものが、開いた口を閉ざせずにいた。
「…………頼む。何も知らないで欲しい」
「、」
「それが、アイツへの弔いになる」
バーダックはそういって踵を返す。ネヴァリィに「行くぞ」と声をかけ、地獄から去ろうとした、その時、
「貴様は誰なんだ！！」
セルの怒声が飛んできた。
「貴様、私と闘ったバーダックではないだろう！？何より貴様、目が――」
「もうよせ、セル」
セルの怒声をさえぎったのは、ベジータ王だった。地獄の住民の人混みの中にあるサイヤ人の集団が、一人一人道を空けていくと、ベジータ王が現れたのだ。
バーダックは近づいてくるベジータ王をただ無言で見つめていた。ベジータ王もまた、バーダックを一瞥すると、フッと笑って口を開いた。
「……あの小娘は死んだのか」
「…ああ」
「そうか……今頃天国にでもいるのか？」
「……さあな」
「ふん……もし会ったら伝えてくれ。……ご苦労だった、と」
「！…………ああ」
・
・
バーダックはベジータ王の言葉を受けとり、今度こそネヴァリィと共に地獄を去る。その後姿を何も言えずに見送ったフリーザたちは、不満を隠せずにそれぞれ散り始めた。
人混みが少なくなる中、セルはベジータ王と向き合っていた。
「ご苦労だった、とはどういうことだ」
「…貴様も、薄々気づいているのだろう。だが、そこまでにしておけ。それが、あの小娘の願いなら尚更な」
「……だが、そんなこと、ありえん・・・あの女が、まさか」
「ところで、セル。貴様もバーダックに伝言を任せたほうが良かったのではないか？」
「は？」
「貴様のことだ。・・・「貴方の強い心と美しさに見惚れてしまった」とか言いそうだな」
「………………んなっ？！？！」
セルはベジータ王の言葉にドキリと心臓が跳ねた。
まさか、この私が、あいつに・・・！？！？
「確か貴様にはサイヤ人の血も交じっているのだろう？サイヤ人の男は強い女に惹かれるようだからな！」
ベジータ王は高らかに笑いながら、セルに背を向け、手を振ってその場を後にした。
セルはわなわなと震えながら、ベジータ王に苛立ちをぶつける気弾を飛ばせずにいた。
一方、クウラとフリーザは、
「え、あいつあの小娘に惚れ…」
「兄さん、さっさと行きますよ」
こんな会話をしていた。
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おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - うう…感動した…これ書籍化して欲しい！ (2019年4月17日 0時) (
レス) id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - はじめまして！1からすべて読ませていただきました！最後のほうなんかはもうボロボロ泣いて読んでました笑 この小説でバーダックが好きになりました！また次の作品も読ませていただきたいと思います！！ (2018年11月28日 13時) (レス) id: 2f5a2fbd1b (このIDを非表示/違反報告)
降る家 - 十六夜月夜さん» ありがとうございます！正直、数年かけたというより、更新遅らせて数年掛かった作品ですが(苦笑)、読者のみなさんが待ってくださったことに感謝しています。番外編のページも作る予定なので、またお会いしましょう！ (2018年9月16日 21時) (レス) id: 23637d11a4 (このIDを非表示/違反報告)
降る家 - 木乃さん» 今までありがとうございました！実は最後に龍空と菜々乃には登場してもらおうと思ってました！あくまで、「成り代わりの道には進まず、生きる二人」であり、やまとと仲良くDB友達になる未来へ進む。という意味も籠めてのエピローグなんです！番外編でお会いしましょう！ (2018年9月16日 21時) (レス) id: 23637d11a4 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 降る家さん、今までお疲れ様でした！数年掛けて完結した作品...憧れます！ (2018年9月1日 21時) (レス) id: f9bc2076b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：降る家 | 作成日時：2017年10月1日 16時
