☆378 ページ24
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―――もう、細かいことを考える脳みそもねえ。今あるのは、バーダックをトーマ達に託すという
闘うために呪いの力で造った土と宝石の身体は亀裂が走り、握り拳に力を入れたら、ボロボロになるくらい限界がきていた。
カカロットの元気玉は、長年踏みとどまっていた怨念を浄化した。青い光の中にある、生きた魂の抱擁によって、魂は救われた。これで彼らは安らかに眠りにつける。
さて、オレももうすぐ死ぬ。命も今度こそ絶たれ、呪いの影響で感情も人としての感覚も失ったまま、俺は死ぬ。
そのまえに、そのまえに・・・
バーダックを、トーマたちに、
ずっと抱きしめていたバーダックの顔を覗く。静かに寝息を立てながら眠るコイツは、生きている。生き返った、いや、もう一度生まれてきた。今度こそ、前に踏み出すために。
暗い場所しか知らないコイツを任せられるのは、もうトーマたちしかいない。おれは、ここまでだ。
オレは最後の力を振り絞って、バーダックを自分の背中へと背負いなおす。
「バダ！！」
「とうちゃーーん！！」
「親父！！」
「バーダック！！」
トーマが、カカロットが、ラディッツが、王子が、
こっちに、くる。
『………』
いっぽ、うごく。こいつを、あいつらに、たのまなきゃ、
『………ぅ』
ピキピキピキ……パキパキパキ……
いっぽ踏み出すたび、足が、脚が壊れる。
バーダックを抱える腕も、壊れていく。はやく、こわれたら、バーダックがおちる。
まだ壊れるな、まだ死ぬな。歩け。
「………おめえ、その体…」
先に来たのは……カカロットか。ああ、そんな目をするな、バーダックは無事だ。大丈夫だ、そんな泣きそうな顔をするな。
「バダ……。！！……お、お嬢ちゃん、あんた」
トーマ、こんな姿見せてすまねえな。
「……おい、あんた、大丈夫なの、か」
ラディ、オレのことはいいんだ。それより、お前の怪我のほうが心配だ。
「……貴様、死ぬのか」
ああ、そうだよ王子。でも、オレは元々死んでるし、死ぬのはこれで2回目だ。
『―――た―――の、む』
「！！、バダ……！」
トーマが慌てながらもゆっくりと背負ってたバーダックを引き取る。そんとき、お面の紐がプツンときれて、オレの足元に狐のお面の内側の木面が見えた。
背中が軽くなって、屈んだ背を起こす。
・・・ああ、この顔で会うのは初めてだな。
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おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - うう…感動した…これ書籍化して欲しい！ (2019年4月17日 0時) (
レス) id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - はじめまして！1からすべて読ませていただきました！最後のほうなんかはもうボロボロ泣いて読んでました笑 この小説でバーダックが好きになりました！また次の作品も読ませていただきたいと思います！！ (2018年11月28日 13時) (レス) id: 2f5a2fbd1b (このIDを非表示/違反報告)
降る家 - 十六夜月夜さん» ありがとうございます！正直、数年かけたというより、更新遅らせて数年掛かった作品ですが(苦笑)、読者のみなさんが待ってくださったことに感謝しています。番外編のページも作る予定なので、またお会いしましょう！ (2018年9月16日 21時) (レス) id: 23637d11a4 (このIDを非表示/違反報告)
降る家 - 木乃さん» 今までありがとうございました！実は最後に龍空と菜々乃には登場してもらおうと思ってました！あくまで、「成り代わりの道には進まず、生きる二人」であり、やまとと仲良くDB友達になる未来へ進む。という意味も籠めてのエピローグなんです！番外編でお会いしましょう！ (2018年9月16日 21時) (レス) id: 23637d11a4 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 降る家さん、今までお疲れ様でした！数年掛けて完結した作品...憧れます！ (2018年9月1日 21時) (レス) id: f9bc2076b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：降る家 | 作成日時：2017年10月1日 16時
