仕組まれた災難 ページ5
.
鎮魂が終わった後は、町全体が花火が上がったりと、お祭り状態だった。
これも原国式なんだろうか。
紅丸さんや第7には家を修復する作業がまだ残っている。
森「俺、手伝ってきます!」
森羅くんは自慢の足で、木材を軽々と運び出した。
私も、何か出来ることを探そう。
「嬢ちゃん!!!危ないッ!!」
声と共に、勢いよく何かが私を目掛けて飛んでくる。
細い、木の棒…?
顔の至近距離まで飛んできた木の棒は私の目の前で燃え始める。
『えっ?』
木の棒は炭になり、地面に崩れていった。
紅「ったく、危ねェな。気をつけろ。」
今の炎は紅丸さんがしてくれたの?
「若!ありがとうございやす!
急に手元が狂いやして…、助かりました!嬢ちゃんも悪かったな!」
『大丈夫ですよ。』
紅丸さんが炭にしていなかったら、私は今頃大怪我をしていただろう。
紅丸さんが運良く近くに居てくれてよかった。
『ありがとうございます。』
紅「気にすんな。怪我はしてねェか。」
『はい。お陰様で。』
私の返事を聞くと安心したのか、少しだけ肩が下がっていた。
紅「暇なら少し付き合え。」
『?…はい!』
紅丸さんの横を歩き、浅草の人たちの様子が目に入る。
夢中になっていると、紅丸さんに身体を抱き寄せられる。
『…っえ?』
驚く間も無く、私がさっきまで歩いていた場所に小棚が落ちてくる。
ぐしゃぐしゃになった小棚は、的確に私の位置を狙っているかのようで、私はゾッとした。
紅丸さんがいなかったらまたしても怪我をしているところだった。
『びっくりした…。あ、ありがとうございます。』
紅「あぁ。」
小棚が誰のものか分からないまま、歩いて行くと今度は荷車がひとりでに私たちに進んでくる。
今日は不幸続きだな…。
私が動くまでもなく、紅丸さんが片足で荷車を止めた。
その後も、暴れ馬が突進してきたり、折れた大木が倒れてきた。
全部、私を狙っているかのような位置で不気味だった。
紅丸さんはその度に助けてくれているが、そろそろ呆れているんじゃないだろうか。
隣を見ると、紅丸さんは何処かを睨んでいた。
…このままじゃ紅丸さんまで危険が及んでしまう。
『私、皆んなの手伝いに行ってきますね。』
紅丸さんはその場から離れようとする私に告げた。
紅「いや…暫くは俺の隣にいろ。」
631人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニャノこ - 終わった?続き待っています。頑張ってください!ヽ(〃'▽'〃)ノ (2022年3月27日 13時) (レス) @page14 id: 7b98f51063 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続きが気になります! (2020年12月12日 0時) (レス) id: f1000ea62f (このIDを非表示/違反報告)
ノア - これで、終わりなんでしょうか?続き、できれば読みたいです!! (2020年11月13日 23時) (レス) id: 446b9f453e (このIDを非表示/違反報告)
林 - 更新楽しみにしてます!頑張って下さい (2020年10月2日 20時) (レス) id: d6efe66a53 (このIDを非表示/違反報告)
sin4(プロフ) - コメント失礼します!面白くて読む手が止まりません!無理せず更新頑張って下さい! (2020年4月30日 8時) (レス) id: 3081895e5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:安部安産安売 | 作成日時:2020年4月9日 17時