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数秒の沈黙の後、ずっと黙ったままだった裕一郎くんがやっと口を開いた
梅原「…謝んのは俺の方だよ」
貴方「!…違うよ、裕一郎くんは何も悪くない!」
梅原「知ってた」
貴方「え?」
梅原「お前が間違えて俺のカバンに入れた事知ってた。本当は気づいてた」
俯いてポツリと呟く裕一郎くんに驚いて目を見開いた
最初から気づいてたの?
気づいてた上で知らないフリしてたってこと?
梅原「江口さんにあの手紙渡して欲しくなくてあんな事した。物静かでハッキリと自分の気持ちを言葉に出来ないの知ってたから」
貴方「…」
梅原「弱みにつけ込んだんだよ」
貴方「裕一郎くん…」
梅原「最低なのは俺の方だ…ごめん」
本当に申し訳無さそうに言う裕一郎くんになんて声をかけたら良いのか分からず気づいたら飛びついていた
貴方「それでも私は裕一郎くんが好き…!」
梅原「A…」
貴方「確かに裕一郎くんがやった事は酷いかもしれない!でももう好きになっちゃったんだもん!その責任は取ってください!!」
梅原「!」
こんな投げやりな言い方だけど好きだという気持ちに嘘はない。
だからどうにか伝わって欲しくて抱きしめる腕に力を込めると裕一郎くんもゆっくりと背中に手を回してくれた
梅原「本当にごめん」
貴方「もう謝らないで。私だって最低な事したんだから…」
梅原「歌聴いた。…ちゃんと伝わった」
貴方「なら今度は裕一郎が私に伝えて欲しい」
梅原「…好きだよ」
耳元で聞こえたその言葉にまた涙が溢れた
貴方「私も…私も好きです!また彼女にしてくれますか…?」
梅原「当たり前だろ」
顔を上げるとさっきまでの暗い表情は消え、優しく微笑んでいた
そんな裕一郎くんに微笑み返すと自然と唇が重なった
お互い嘘ついて傷つけあった。
でも結局その嘘のおかげで私は裕一郎くんの事を好きになれた
嘘から始まった恋だけど今の私に裕一郎くんに対して偽りの気持ちは無いです
貴方「裕一郎くん…大好き」
梅原「俺も好きだよ」
貴方「ふふっ」
優しく笑う裕一郎くんはとても綺麗で微笑むと2人のおでこが引き寄せられるようにくっついた
これからは嘘偽りなくお互いの歩幅でゆっくり歩いていこうね。
_____________fin
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はっとり(プロフ) - pocoさん» poco様、コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉ありがとうございます😭カレカノごっこはできる限り長く続けたいと私も思ってます!今後ともよろしくお願いします! (2022年10月19日 3時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
poco(プロフ) - いつも楽しませていただいてます!個人的になのですが、「カレカノごっこ」や、「言うこと聞きなさい!」は長く続いている&特に大好きな作品なので続けてほしいです😭これからも応援しています! (2022年10月18日 23時) (レス) @page49 id: dd464bb7d4 (このIDを非表示/違反報告)
はっとり(プロフ) - のるのらさん» のるのら様、コメントありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです😭これからもよろしくお願いします! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
のるのら(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです…(´;Д;`)はっとり様の小説大好きですうううう!!!これからも色んな小説読ませて頂きます!!! (2021年10月5日 15時) (レス) @page49 id: 255e9f325b (このIDを非表示/違反報告)
はっとり(プロフ) - マメさん» マメ様、コメントありがとうございます!こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました😭とても嬉しいです。これからも頑張ります!! (2021年9月25日 9時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はっとり | 作成日時:2021年7月15日 21時