嘘つきは恋の始まり【梅原裕一郎】〜完結〜

1 ページ2

.









西山「A！」









明るく弾んだ声が聞こえて振り返ると同期である西山宏太朗くんがいた









貴方「宏太朗くん、おはよう！」

西山「おはよ！これから収録？」

貴方「うん、宏太朗くんは？」

西山「さっき終わった！」

貴方「そっか、お疲れ様！」









優しくて元気な宏太朗くんは私にとっては本当に頼りになる同期だ
同期というかお兄ちゃんみたいな…？ちょうど宏太朗くんの方が１ヶ月早く産まれてるしね









西山「じゃあまたどっかの現場でね」

貴方「うん！」









宏太朗くんと別れて楽屋に入るとまだ誰も居なくシーンとしていた

ちょっと早く来すぎちゃったかな？
よし。いつも通りギター弾いて時間を潰そう



いつも絶対持ち歩いているアコギをケースから取り出してチューニングをしてからオリジナル曲をいくつか弾き語った









貴方「息が白く染まり始めた かじかんだ手を温める カーテンにもたれふと思った冬は嫌いだ」









誰もいない静かな部屋に自分の歌声と弦を弾く音だけが響き渡った

やっぱり歌うのって楽しいしギターを弾いていると落ち着く



目を瞑って歌にのめり込みもう周りの音なんて聞こえず自分の声とギターの音だけに集中していた









貴方「Don't say good day 別れは言わない 忘れないから 今日も歌って」









最後にジャーンで気持ちよく締めくくりフゥーと息を吹きながら目を開けると目の前にニコニコと笑っている江口さんがいた









貴方「ぎゃあああああああああああ！！」

江口「おー、いい反応(笑)」

貴方「な、な、な、なんで…！」

江口「楽屋入ったら楽しそうに歌ってたから観てた！」

貴方「声掛けてくださいよ！」

江口「最後まで聴かなきゃ勿体ないじゃん！」









勿体ないって…
びっくりしすぎて心臓止まるかと思った


江口拓也さん。事務所の先輩で私の_________









好きな人だ。







.

2→←profile

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す