【◇】群 青 エ ー ス . 5

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春市「あ、栄純くん」






Aが今度こそ完全に

元に戻ったあと

Aの部屋からでてきた栄純。








春市「Aちゃん大丈夫だった？」



栄純「お、おおお、おう！」



春市「なんでそんなカチコチな動きしてるの…」









春市は思った。


なんか栄純くんいつもおかしいけど今はもっとさらにおかしい。

と。








春市「何かあったの？」




栄純「と、特に…何も？」



倉持「嘘つけこの野郎っ！！」



栄純「ぐはっ！！」









部屋の前の通路で明らかに様子がおかしく、カチコチの栄純の尻をいつの間にか背後にいた倉持が飛び蹴り。


関節技はあまり栄純にとって効き目はないが蹴りは効き目がある。









倉持「ちゃんと雛瀬の話聞いてやったんだろうな」








ポキポキと手の骨を鳴らしながら迫り来る倉持。

その顔はヤンキー。








栄純「聞きましたって！イップス？になった原因とかAの母さんのこととか！」





倉持「ならいい、お前にしか言わねぇとわかってたからな」







ユニフォームに背番号の縫いつけが遅いから見に来たとか言っていたが


本当の理由はAの話を聞くためだ。


人のことをよく見てる倉持が気を利かせて栄純をAの部屋に送り込んだのだった。








倉持「そんでもって何でテメェは顔真っ赤なんだよ逆上せたのか？」



栄純「そ、それは…」



春市「何かあったの？栄純くん」









倉持と春市が気になったのは

栄純の顔色だ。

珍しく真っ赤。








倉持「まさか黙るなんてことねぇよな？吐け沢村！！」



栄純「何もないっす！！本当に何もないっすから！！」



春市「嘘は良くないよ栄純くん」








何もなかったら顔は赤くならない。

春市が赤面するのにもちゃんと理由があるし。

理由もなく顔を赤くする人はいないだろう。









栄純「………Aのこと、思わず抱きしめちゃっただけっす…」








倉持がすごい顔で睨んでくるからか

栄純がついに暴露した。

栄純の言葉に春市と倉持が固まった。









春市「ちょ…ちょっと待って、いまいち話の流れが分からないんだけど」


倉持「思わずってなんだよ思わずって」








部屋を出た瞬間

我に返って恥ずかしく感じた栄純。

彼にはまだ羞恥心というものが残されていたようだった。

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