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北「廉、寂しかったんだな。気付いてあげられなくてごめん。」
廉「え・・・」
北「確かに先生最近あんまり廉に構ってあげられてなかった。不安だったね。ごめん。」
廉「ううん、俺もごめんなさい。先生忙しいの分かってたのに、駄々こねて、意地張って。それから・・・大嫌いなんて言ってごめんなさい。ほんまはそんなこと、思ってへん。」
北「うん、大丈夫。分かってるよ。」
廉「せんせ・・・」
北「んー？どうしたどうした」
張りつめてた緊張がほぐれて、安心して北山先生に抱き着きながら泣きじゃくった。
お兄さん、俺ちゃんと約束守ったよ。
お兄さんが戻ってきたら報告しよう。ちゃんと褒めてもらうんや。
・
だけど、いつまで経ってもお兄さんは戻ってこなかった。
廉「なぁ」
北「ん？」
廉「お兄さん、どこおるん？」
北「お隣の？」
廉「うん。」
北「え・・・っと、」
廉「どこ？」
北「残念なんだけど、さっき亡くなったって・・・」
廉「え？え・・・っ、え？」
お兄さんが亡くなった？なんで、
ほんまにあれがお別れになっちゃった？
嫌！
廉「嫌！なんで・・・っ」
北「仲良くしてもらってたんだな。廉が起きる前に声かけられてさ。廉が寂しかったこと、聞いたんだ。いいお兄さんに出会えたんだな」
えっお兄さんそんなこと言ってくれてたん？
知らんかった・・・
廉「・・・ぅん」
北「少し落ち着いたらお兄さんのところ行く？」
廉「行く」
北「分かった。特別だからな」
廉「うん」
悲しい。まだ信じらんない。けど、お兄さんにありがとうって伝えなきゃ。
先生に抱き着いてまたいっぱい泣いて、やっと落ち着いてきた。
俺もお兄さんにお別れの言葉、ちゃんと言わなきゃ。
北「車椅子乗って、ちょっとだけね。体動かすよ」
廉「うん、」
北「じゃあ行こうか。」
廉「うん。」
車椅子が動き出した。
お兄さん、待っててな。ちゃんと素直に気持ち、伝えに行くから。
___終___
こんにちは！作者です。
ずっと形に出来なかった特別編を公開しました！
海人くんの術後のシーンのトラウマは、ここからだったようです。
どうしても避けられない"人の死"。辛いけれど、また一つ強くなれました。
改めましていつもありがとうございます！皆様のおかげで作者は頑張れています！
これからもこんな作者にお付き合いいただけると嬉しいです、よろしくお願い致します！
メッセージお待ちしております。
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2022/12/9 風音色
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作者名：風音色
| 作成日時：2022年1月29日 0時
