姫事―ヒメゴト― 【ARS】 (ページ9)

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今日のスケジュールを全て終え、さすがにヘトヘトになった私は七海さんの運転する車に乗り、帰路についていた。

「お疲れ様！ハードスケジュールだったけどよく乗り切ったわね！」

「七海さんのおかげですよ。“イイこと”、知らせてくれてありがとうございました！！」

バックミラー越しに後部座席にいる私を覗き込み、七海さんは
うんうん、と頷く。

「あっそうだ。私、さっきのスタジオで櫻井くんに会ったのよー！」

「ぶっ」

七海さんのその一言で、忘れていた屋上扉前での出来事を思い出してしまい
私は思わず吹き出してしまった。

「あら、どうしたの(笑)櫻井くんと何かあった？」

「いや…別に何でもないです…」

「そう？」

七海さんは少し肩をすくめて不思議そうな表情を浮かべた。

「今でも2人でご飯行ったりするの？」

なんだか今日は本当にイタいところばかり突いてくるなぁ…

「いえ…」

でもそんなの行くわけない。

だって

翔ちゃんとは今はもう“そんな関係”なんかじゃないんだもん…

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