姫事―ヒメゴト― 【ARS】 (ページ2)

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「お姫～～～！！！」

仕事が溜まりに溜まって、息が詰まるような思いになる今日この頃。
〝お姫〟こと私、上原Aは休むことなく撮影スタジオを転々と巡っていた。

…もちろん、仕事のために。

「お姫ってば～！次のスタジオへ向かうバスが来てるわよ！！」

「あっ、ハイ！今行きまーす！」

マネージャーの七海さんに連れられ、私は急いでマイクロバスに乗り込んだ。
バスに乗るのは、本日5回目。

朝5時入りから撮影をほぼぶっ通しで4つこなし、夜8時になろうとしている今、
バスに揺られ今日最後の撮影を控えているところ。

「お疲れ様。この撮影終わったらイイこと教えたげるから、最後まで気を抜かずにね！」

疲れた私をなだめるかのように、七海さんは助手席からひょこり、と顔を出し、後部座席に座っている私に声をかけた。

「えーなんだろ。楽しみに仕事頑張ります！！」

「そーそ！その意気よっ！さ、着いたみたいだし行きましょ！」

気が付けば、もうマイクロバスはスタジオに到着していた。

七海さんの言っていた〝イイこと″にちょっぴり胸を弾ませながら。

くたくたに疲れた身体を引きずりながら。

私は最後の仕事を終わらせるべく、スタジオに入った。

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