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小沢は反応ができずに、沈黙が流れる。空気を変えるように、釘崎がダンっとテーブルに手をついた。
釘崎「とにかく!勝算ありよ!優子!虎杖を召喚するわ!」
虎杖はすぐにやってきたが、ここで釘崎は冷や汗を流す。
半年で劇的に変わった小沢に気づかないという、最も悪いイメージが脳裏によぎったからだ。だが、心配をよそに虎杖は小沢に声をかけた。
虎杖「小沢じゃん。なにしてんの?」
Aにきれいと言われた時のような、なんとも複雑な顔で小沢は虎杖の顔を見つめていた。
それから5人は他愛ない話をして過ごして、帰路に着いた。
ホームにて電車を待つ小沢は、流れてくる涙をゴシゴシと拭った。
中学時代、デブだとバカにされる小沢を、食べ方や字がきれいだから好きだと言ってくれた虎杖。
垢抜けた小沢を、単に容姿ではなく姿勢や字や虎杖を想う気持ちがきれいだと褒めたA。
そして、優しげにAを見る虎杖の様子が小沢の頭に浮かんでくる。
痩せた自分なら虎杖は振り向いてくれるのではないか、美しいAには勝てないのではないか。
小沢は自分の嫌いな人間たちの尺度で生きていることを自覚した。
なんだか恥ずかしくて、そしてとてもつらくて、「またな」と笑う虎杖に小沢はもう会うことはないのだろうともう一度涙を拭った。
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[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月24日 8時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
Ciel - めっちゃ面白いです!吾郎くんがかっこかわいいです。便新待ってます! (2021年8月11日 23時) (レス) id: 5e4a1d1d6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴっぴ | 作成日時:2021年8月10日 12時