【歌い手】本性、バレちゃいました。Secret2

０６３ ページ24

天「う、うらたさ……」


『ごめんなさい……？』









流石の私達もヤバスな雰囲気を察知する。



いつの間にか青になっていた信号は、また点滅を始めた。









う「………っあ、……ご、ごめん。大丈夫、だから。…………えっと、交番だっけ？」









ハッと我に返ったうらたさん。


明らかに大丈夫では無いけど、本人がまあ大丈夫と言ってるんだから気にしない方向で行こうと思う。









『……そ、そう。交番にあるかもしれないからさ』









うらたさんの問いかけに答えるけど、その時には彼は向かいの通りをひたすら見つめていた。



特に目ぼしい物があるわけでもないそこを、ただじっと。









・









『届いてない、ですか』



「はい。見てないですね」



『そうですか………ありがとうございます』









申し訳なさそうに眉を下げる交番の方に一礼して立ち去る。


交番で収穫無しとなると、誰かが拾ったか。









天「どうする？もう帰る？」









思いの外時間がかかっていることに苛々してるのか、天月さんの言葉にはさっさと帰らせろという意思が出てきてる。



それでもお互い悪口が出てこないのはまあ、さっきのことがあったから何だけども。









当のうらたさんはというと、さっきも見ていた通りを見つめながら時折悲しそうな顔をするだけ。









『……帰るか』









このままぐだぐだ探したって、変わらないだろうから。


*

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