【歌い手】本性、バレちゃいました。

０２２ ページ24

伊「っと、……じゃあ写真を撮ったのはAさんじゃない、と？」




『そうです。信じてもらえるか分かりませんが……』









皆無に等しい語彙力と説明力を絞り出して何とか説得に成功………したのか？←









歌詞太郎さんは納得した後数秒固まって、









『……やっぱり信じてもらえな』

伊「すみませんでした！」









『……へ、』









テーブルに頭を打つ勢いで頭を下げられ、今度は私が固まる番だった。









伊「よく話も聞かずに色々誤解しちゃって………」


『……誤解？』



伊「はい。今のもそうですけど、その前………Aさんが来た時とかも、どんな人か知らないまま部屋に籠ったりして、」



『あー………』









心底申し訳なさそうに眉を下げる歌詞太郎さん。

謝ってくれるだけ君はまだマシだよ……。←









伊「僕、あんまり女の人が得意じゃなくって。本当に申し訳ないです…。……そうだ！さっきカレー食べたんですけど、おいしかったですよ！」









そう言って笑う歌詞太郎さん。


………かわいいね((









夜中の眠気が吹っ飛ぶよ。









ありがとうございます、と返せば、少し顔をしかめて「敬語はなしで」と返ってくる。









『はい…ん”んっ、………分かった』









・









まあ、そこからは平和な一日の終わりを楽しみ、翌日も平和に………









………と、そんな上手くいけばいいんだけどね。


歌詞さんが帰った部屋で、うああっ、と呻き声を発した11時59分。


*

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