29日目 ページ31
「まず、なぜハンターになりたいのかな？」
面接をする部屋に入り、其処にいた会長の指示通りに椅子に座れば、そんな質問をされた。
如何やら、本当に遜色のない面接の様だ。
「ハンターになれば調べやすくなると聞いたからだ」
適当に理由を並べてみる。
まあ、強ち間違いではないからな。
「そうか……では、おぬし以外の10人の中で一番注目しているのは？」
「ロクサス……124番だ。オレのパートナーであると同時に見込みがある」
三日であれ程成長したのだ。
寧ろ、無いとは全くもって言えない。
「ふむ……では最後の質問じゃ。10人の中で1番戦いたくないのは？」
一番戦いたく無い者……これは嫌でも記憶に残る彼奴。
「44番だ。色々と訳があり、戦うのも、関わるのも極力遠慮したい」
ついでに301番の男も。と付け足す。
三つの質問で面接は終了し、次に入れ代わりでロクサスが面接を受ける。
……大丈夫だろうか。
「なぜ、ハンターになりたい？」
「別に……調べるため」
「1番注目しているのは？」
「A。強いのも良いところだけど……何より絶対守らないといけないから」
「1番戦いたくないのは？」
「A。Aを狙う奴は誰でも消す」
何時にも無く淡々と答えるロクサス。
これまでにこんな冷めた声を聞いた事があったか。いや、無いな。
壁越しに聞いているとはいえ、本当に如何してこうなったんだ。
「あ、A……行こう」
「……嗚呼」
面接部屋から出てきたロクサスに連れられ、暫く飛行船内を歩き回って時間を潰した。
「___最終試験は1対1のトーナメント形式で行う」
飛行船がある場所へと到着し、一つの広い部屋にオレ達は足を踏み入れる。
其処に設置されたボードを覆っている布を会長は一気に取ると、トーナメント表が露わになった。
「……成る程」
ルールは単純。たった一勝すれば良いらしい。
負けた方が上がって行くシステムだ。
そして、オレは405番と294番の敗退した方と戦う様だ。ロクサスは404番と……偏り過ぎではないか？
……まあ、良い。
最初の試合は、ゴンとハンゾーという男の勝負であった。
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作者名：レフト | 作成日時：2017年5月27日 19時
