19日目 ページ21
「これで説明は終わり……♡
代わりといってはなんだけど、キミの事を教えてくれないかな♧」
オレの事……？ 特に教える事も無いが。
「……何を教えれば良い」
其奴は少し悩む様子を見せれば、人差し指を立てて口を開いた。
「じゃあ、キミのその魔法みたいなものについて教えてよ♤」
ヒソカが指しているのは……魔法の事か。
「……唯の魔法だ。 変哲のない魔法」
指先に炎を灯し、冷気でその炎を消す。
「魔法、か……♧
……クク、キミは当たり前の様に言うんだね♡」
「……まあ、当たり前だからな」
そんな会話を交えていれば、遂に出口へ辿り着いた。
この会話の前に最後の関門と呼ばれた所をクリアしているので間違いないだろう。
[44番 ヒソカ 三次試験第１号！
所要時間6時間17分！
35番 A 第2号！
所要時間同じく6時間17分！]
スピーカーらしき物から大きな音声が流れ、三次試験が終わった事が判る。
「如何やら……一着の様だな」
「ゆっくり歩いて来た筈だけど……♤ 早かったみたいだ♧」
「ロクサス……」
足を踏み外して落ちて行ったきり、全くもって出会っていないロクサス。
果たして、彼奴は此処まで来れるのか？
「おや……♢ もう一人の心配かい♧」
小さく呟いた事を聞かれたのか、ヒソカはオレに問う。
……心配、か。
「心配なんぞしていない……したくてもできないんだ」
……だが、胸の内側辺りが少しだが締め付けられる様な感覚がするな。
一体これは何なのだろうか。
「……そう♧ なら良かった♡」
目を細めて、笑いながらそう言ったヒソカ。
突然そんな発言をした其奴に俺は眉を潜める。
「……何がだ」
何だか再び怪しくなってきて、思わず聞き返すと其奴は告げた。
「今回の試験でハッキリしたんだけど……♤
やっぱりキミには無限の可能性を感じる！ 今までに無いくらいイイよ……！」
何か様子がおかしい。このままではまずい気がする。
それでも何故か退けないオレに、ヒソカはそのまま説明を始める。
「本来、青い果実は成長するまで放って置くのがボクの主義なんだけど♢
クク……放って置けないくらい、キミに愛着が湧いてしまったんだよ……！」
言葉の割には尋常ではない殺気が入り混じっており、そろそろキーブレードを出して構えた。
「……オレには理解不能だ」
此奴からは彼奴らの様な気配がする。恐らく此奴に関してはこの試験からだ。
……何にせよ、もう止めて欲しいものだ。
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作者名：レフト | 作成日時：2017年5月27日 19時
