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暫くの硬直の後、急速に顔色が青ざめたサンジは、何故か大量の冷や汗をかきながら恐る恐る俺に問う。
「に、兄さん……手配書ってもしかして……」
「ああ、これだが？」
そう言って懐から手配書を出せば、目の前に向ける。するとサンジは突然地に膝をつき、項垂れてしまった。
「……うああああああ！！
A兄さんにだけは
絶対見られたくなかったァ！！」
「……！？ 如何したんだ」
そして、叫び声をあげながらのたうちまわるサンジの姿に、流石の俺でもたじろぐ。
絶叫と共に聞こえてくる言葉を整理すれば、如何やら自分だけ手描きなのが嫌だったらしい。
___だが、まあ……そうなっては仕方のないことなのだろう。俺は手配書作成の手順など知らないので、正直よく分からないが。
「……サンジ、別にこれはただの紙だ。態々気に病むことはない。
それに、初めからこの額をつけられるのは実力者の証。俺はお前の成長した姿を見れて嬉しいんだぞ？」
「……うぅ……兄さん」
とりあえず心の中にあった思いを告げれば、サンジの悶えは止まり、そしてゆっくりと顔を上げる。
……此方を見る涙の溜まったその表情は、あの時と良く似ていた。
「……そうだ。
お前の作った料理を久しぶりに食べたいな」
思い付きで提案をしてみると、暫くポカンとしていたサンジは勢い良く起き上がり、忽ち笑顔になる。
「いいぜ！ オレもさっき言おうと思ってたんだ。
仲間も紹介したいし……行こう、A兄さん！」
嬉々としてサンジは俺の手を掴んで走り出す。
俺も引っ張られるようにして脚を進ませた。
「……」
俺はフードを再び深く被る。
この光景はさぞかし目にとまるだろう。人通りの多い道に出ているなら、尚更だ。
やっと見つけた俺の弟。
……あの子達もサンジも俺の大切な兄弟。
普通の人間であろうが何だろうが、大切なのには変わらない。
だからこそ俺はあの父親を許せなかった。
だから俺は家を出て行った……これ以上お前には、苦しい思いをしてもらいたくないんだ。
「……サンジ、これを」
「ん？___これって……」
走る足を止めずに、俺は懐から出したビブルカードをサンジに渡す。
反応からして、見たことはあるようだ。
「出来ればそれをずっと持っておいてくれ。
……お前をもう見失わないようにする為だ」
「……ああ」
ビブルカードを受け取ったサンジは、強く頷く。
それに連なって繋がれた手の力も強まった。
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Noah†(プロフ) - 更新待ってました(*´∀｀)ワクワクしっぱなしです…これからも頑張ってください(*´-`) (2018年1月8日 0時) (
レス) id: 16f26e4166 (このIDを非表示/違反報告)
しーた(プロフ) - 凄く面白かったです…！！更新ずっとお待ちしております… (2017年12月25日 11時) (レス) id: e6fa4e5308 (このIDを非表示/違反報告)
みかづき(プロフ) - め、めちゃくちゃいい所なのに！…すっごく面白いです！続き気になります！更新頑張ってください。 (2017年8月24日 11時) (レス) id: 40dece2299 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レフト | 作成日時：2017年2月21日 2時
