6話 ページ7
一人で納得していれば、ジーニーはそのまま屋敷の入り口のある場所へとオレの背中を押して催促してくる。
「ホラホラ、とにかくAも早く出なさいな！ 可愛いお顔に焦げ目なんて俺が困っちゃう！」
「可愛く無いし！」
茶化す様に言われた言葉に反論しながらも、屋敷が崩れていく様子を見ては、オレ達は急いで脱出をした。
「___わっぶ！」
窓を割って屋敷を出た瞬間、内部で爆発が起こったらしい。
もう中に入れない程炎は広がり、あと少しでも遅れていればエライ事態になっていたという事が窺える。
少々肺に溜まった煙に噎せていればジーニーが背中を撫でてくれて。
そして、地面に降ろされてちんぷんかんぷんな顔をするその男の人を一瞥して___思わず二度見した。
「ジョナサンッ！？」
「僕はジョナサン・ジョースターだけど……君は……？」
あれ？ なんか大きくなってねー？
あの時聞こえた声がやけに似ているな、と思っていたら案の定、彼は紛れも無い本人らしく。
「オレだよ！ A！ さっき会っただろ！」
身を乗り出して告げればジョナサンは少し思索した後……何かを思い出したかの様に目を見開いた。
「もしかして、君は僕が子供の頃に探していた……良かった……！ 生きていたんだ！」
「子供の頃？……うん？」
今度はこっちが混乱する羽目になった。
少なからずともジョナサンはオレを覚えていて、けれど会ったのは子供の頃だと。
対してオレはここに来る前にジョナサンに会っていて、その時はまだこんなに大きく無かったと。
「もしもーし、お二人さーん」
やけに噛み合わない事に首を傾げていると、不意にジーニーが会話に割り込んできた。
その為、やっと周りの事に気が付いたオレは仕切り直しに頭を振れば、ジーニーの方へと顔を向ける。
「ありがとな、ジーニー！
お陰で二人は助かったよ」
「このくらいお安い御用さ！
Aも一人旅で寂しいだろうし、いつでもこのジーニーを呼び出してちょーだいな！」
「うん！本当にありがとなー！」
オレの言葉に満足げなジーニーだったが、少し考え込む様子を見せると「あとあと」と側に来るなり、耳打ちする様に告げる。
「さっきの金髪クン、Aはあまり近づかない方がいいぜ？ジャファーみたいな闇がダダ漏れだ」
「……？ わかった」
「いい子いい子！」
オレの頭をくしゃりと撫でれば、手を振って帰ろうとする。オレもジーニーがいなくなるまで手を振れば……最後に首を傾げた。
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作者名：レフト | 作成日時：2019年9月16日 20時
