1.玉子の中に言葉を ページ2
_空が青いなぁ。
私は上を見ながら歩く。
歩くたびに鞄に付けた猫のキーホルダーが音を立てて揺れる。
貴「_あ、」
"あの日"から通ることをやめたこの道。
坂上『俺、その...仁藤と、付き合うことになったんだけど......』
貴『そっか。じゃあ、もうここには来れないね』
目を少し動かすと拓実の家がすぐ横に見える。
通らないようにしてたんだけどなぁ...
何も考えずに歩いたせいか、足が勝手に拓実の家まで来てしまった。
拓実はもう家を出たのか、まだ出てないのか...前までは簡単にわかってたことが今では全くわからない。
貴「...はぁ」
この胸をぐるぐる渦巻く気持ちを捨てたくて、いつもとは違う道を歩く。
また上を見ながら歩いてると、コツンッと風で何かがぶつかる音がした。
貴「...ん?」
視線を右にずらすと寺が見えた。
貴「.........玉林寺?」
こんなところに寺なんてあったんだ...前まではよく訪れてたのに全然知らなかった。
私は何かに惹かれるように、玉林寺に足を進めた。
ふと、視界に入ったのが階段の脇にある小さな祠。
コツンッ
_音はそこからする。
貴「__玉子?」
紐で繋がれた色とりどりの玉子が、吊るし雛のように飾られている。
貴「...綺麗」
私は玉子のうちの1つをつついた。
「_おや?珍しく可愛い子がおる」
貴「...えっ!?」
声のする方を見るとおじさんがいた。
貴「"言葉"...?」
「ここの神様は、お喋りが大好きなんだいな」
_お喋り。
そう言えばあの子......喋ったところ見たことないな...
「こいつの中身、頭と尻に穴開けてからっぽにしてよ。んで、いろいろ喋りかけてな、いろんな"言葉"を詰めるんだってよ。そいつをこうして捧げてやると、お供えの代わりになる」
玉子の中に、言葉を...詰める?
拓実は、このこと知ってるのかな?
貴「__おじさん、これ1つ下さい!」
私の言葉を__"心"を詰め込んだら、何か変わるのかな?
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うつ(プロフ) - 蒼月あおいさん» コメントありがとうございます!田崎くん推しですよー!更新頑張ります! (2017年7月31日 22時) (レス) id: 377ca02738 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月あおい(プロフ) - 初めまして、蒼月あおいといいます!つかぬことをお聞きしますが、うつさんは、ここさけでは田崎くん推しなんですか?私は田崎くん推しです。(笑)更新、頑張ってください! (2017年7月31日 21時) (レス) id: 4967dc7079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うつ | 作成日時:2017年7月31日 10時