泡沫幻影伝〜黒菊鈴香が生きていたら

第二幕 ☆ ページ4

3週間後。

よそ行きの服に身を纏った鈴香が向かったところは、劇団『夢想浪漫』の公演場所。

今日、たまたま近くで『夢想浪漫』の公演が行われる、という噂を耳にしたため、やって来たのだ。

と言っても、『夢想浪漫』の公演を見に行くのは、これで4回目。

もちろん、瑠璃と玻璃も一緒。

何回か公演を見たあとに、潜入をして、あの事件のことを調べるのだ。

今日の公演が終わり、鈴香は考えながら歩き出す。

「どうしよう･･･」

公演を見ていろいろ分かったとしても、どうやって潜入する？

裏からこっそり？それとも劇団に入団する？

？『ねぇねぇ！ちょっと君！』


考え事をしている鈴香に声をかけてきたのは、焦げ茶色の髪の若い男性だった。

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