▽ 調子の狂うヒーローS / snr ページ9
「この間、センラさんの配信聞いてました」
「え、ほんま？」
チョコレートお好きなんですね。
好きやなぁ。チョコつまみに飲めるもん。
お酒強いんですか？
ん〜普通かな？普通に酔うし酔ったらめんどいで(笑)
ローテンポな彼女との会話。いつもと違うスピード感も存外心地よかったりして、波長のズレや居心地の悪さへの懸念は杞憂に終わる。
(気い抜けるなあ、なんか)
不意に降りる沈黙も気まずさがないのかケロッとしているものだから、俺も無理に話題を探さず空気に身を委ねることにした。
「………」
「…コーヒーブラック派なんやね。意外」
「…いや、ちょっと試しにそのまま飲んでみたんですけど………私はまだその時期じゃなかったです」
落ち着いた表情の下で苦さに苦悶を抱えていたかと思うと面白くて、申し訳ないが普通に笑った。なんで今ふと試してみようと思ったん。
少し突飛で、言葉を探す時斜め上に視線を泳がせる彼女を見ていると、純真無垢な子どもと対峙しているような気になる。
絶え間なく弾む会話も楽しいが、気負いゼロのこの空間もそれはそれで気楽やなと感じつつ、少し離れた所にいる店員を呼びミルクと砂糖を頼んでやった。
「…配信の時も、思ったんですけど」
「お、なになに？」
「センラさんの声…話し方？かな………、
___包み込むみたいで、いいですね。心地がいいです。」
ゆるりと口角を上げた彼女の言葉に虚を突かれた。
話す時、そして俺の話を聞いている時、大きな瞳で真っ直ぐこちらを見つめてくる彼女___今ももちろん、例に漏れず。
「あー…ありがとう、」
嬉しいけれど、あまりに直球で綺麗な言葉たちに、こちらが照れ臭くなる。よくまあ目え見て平気で言えるわ。
「俺も最近、Aさんの配信ちょくちょく聞いてるで」
けっこうええ感じなんやない？と言うつもりで話題を出すと、「え゛、」と初めて聞く声。
両手でカップを包みコーヒーに口をつける…あれ、まだミルクと砂糖入れてないで、それ。
「…まだ下手だから、ちょっと恥ずかしい、です……」
珍しく合わない視線。赤く染まった耳の縁。
_____いや、これは照れるんかい。
淡麗な容姿の女性が恥じらっている姿は誰の目にも愛らしく、飄々としている通常時とのギャップも相まって、調子が狂う。
気楽なのは間違いない。ただ、純朴で、少し不思議で、読めない彼女にしばらくは翻弄されそうだ。
7%. 通りすがりの救いの手→←6%. 悲鳴を上げないヒロインA / snr
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シオン - そ、そうだったんですね！続きが読めてとてもハッピーです！これからも幸せな2人のやりとりをひっそりと楽しませていただきます！ (2023年2月3日 19時) (
レス) @page46 id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃうれしい！くっついた2人がこれからどうなるのか楽しみです！！ (2023年1月31日 12時) (レス) @page46 id: 30f41c462b (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - (///◇///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2023年1月30日 9時) (レス) @page46 id: a7d68907fb (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - シオンさん» お久しぶりですすみませんでしたぁ(スライディング土下座)！！！ちょーっとプライベートが繁忙しておりました…うう………😭終わってないです！終わる時はあとがきまで書く所存なので！紛らわしくてすみません💦 (2023年1月29日 12時) (レス) id: fbabe361fc (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ハッピーエンド？終わった、のでしょうか？（毎回トキメキ溢れ技させていただいてます）仕事終わりの娯楽の一つです、うまうま (2023年1月25日 20時) (レス) id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：打楽器 | 作成日時：2022年9月19日 10時
