23%. それはきっと、恋とよく似た、 ページ35
もしかして？と思うことはちらほらあって、それを、自意識過剰やと言い聞かせる最近だった。
なんか最近、可愛くしとるなあとか。
振れ幅は小さいけれど、よう笑ってくれるようになった気がするな、とか。
よく話しかけてくるようになって、話すのが苦手なのに、なんだか張り切っているようにも見えて＿＿＿そんなに俺と、話したいんかな、とか。
＿＿＿そして、極め付け。
「センラさんとの約束は、いつも、待つ時間も楽しいから、いいんです」
勘違いやと言い聞かせる心が、どんどん瓦解していく。
*
「ツアー前の忙しい時に、すみません」
正面に座るAさんは少し恐縮した様子で言った。
彼女との時間は気疲れすることも、はしゃぎすぎて肉体的に疲れる、ということもない、非常に心地の良い時間だ。忙しい時であっても困ることなんてない。
「そんなん気にせんでよ。楽しみに来たんやで？」
ライブ前の、景気付け。Aさんとできるなんて縁起ええわ。
ちょうど運ばれてきた飲み物を傾け、軽口を叩く。
一瞬キョトンとした彼女はふんわりと目を細め、「光栄です」とグラスを合わせた。
「今日は、こちらをお渡ししたくて、ですね…」
ひとしきり料理も食べ終わり、これを飲み終わったら出ようかという頃合い。
彼女が少し緊張したような雰囲気で、あるものを取り出した。
「バレンタイン、なので」
「！えー！ほんまに？ありがとう」
正直、日付的に貰えるんかなという期待はあった。差し出されたシックな箱をありがたく受け取る。
誕生日はチョコだったので、今回はマカロンらしい。
「マカロン？へー！チョコのイメージしかなかったから、なんかレアな感じするわ」
「レア…では、あります＿＿＿特別、なので」
特別？
聞き返そうと開きかけた口は、言葉を紡ぐのをやめた。彼女の表情が＿＿��伝えようとしている��人の、それだったから。
「ほ…本命、です」
「え…」
「……もう、気づいているかも、しれないですけど、」
＿＿＿＿好き、なんです。センラさんのこと…。
震える声、真っ赤に染まった顔。
ああ、可愛いな。と、素直に思って＿＿＿同時に、胸は痛んだ。
「そっか……ありがとう。＿＿＿＿でも、ごめん」
気づいていたよ。勘違いだと、言い聞かせていた＿＿勘違いやといいな、と、思っていた。
君のそれはきっと憧れの気持ちの派生であって。君自身がそのことに、気がついてくれることを願ってた。
＿＿＿そうすれば、こうしてこんな形で、君を傷つける必要もなかったのに、な。
24%. ありふれた恋の終わり→←22%. 直球勝負がいちばんです
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 494人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シオン - そ、そうだったんですね！続きが読めてとてもハッピーです！これからも幸せな2人のやりとりをひっそりと楽しませていただきます！ (2023年2月3日 19時) (
レス) @page46 id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃうれしい！くっついた2人がこれからどうなるのか楽しみです！！ (2023年1月31日 12時) (レス) @page46 id: 30f41c462b (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - (///◇///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2023年1月30日 9時) (レス) @page46 id: a7d68907fb (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - シオンさん» お久しぶりですすみませんでしたぁ(スライディング土下座)！！！ちょーっとプライベートが繁忙しておりました…うう………😭終わってないです！終わる時はあとがきまで書く所存なので！紛らわしくてすみません💦 (2023年1月29日 12時) (レス) id: fbabe361fc (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ハッピーエンド？終わった、のでしょうか？（毎回トキメキ溢れ技させていただいてます）仕事終わりの娯楽の一つです、うまうま (2023年1月25日 20時) (レス) id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：打楽器 | 作成日時：2022年9月19日 10時
