私はあなたが好きなんだけど！【zm】 (ページ11)

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話し聞いてや。ページ11

部活終了時刻。あのとき言ってしまったことを思い出して恥ずかしくなったり、冷静になったりしていた私に、トントン先輩が今日作ったお菓子をくれた。
部室から出て、下駄箱までとぼとぼと歩く。

「言っちゃったなぁ……今日は一人で帰るんか……」

ゾム「いかんで？A。」

後ろを振り返るとそこには、ゾム君が立っていた。

ゾム「A。俺の話しも聞いてや。一緒帰ろ。」

そういうと、頭を撫でて、靴を履いたゾム君。
ほら、はよ帰ろ。と手を差し出される。

「ゾム君。あのね、その。私……。」

ゾム「あとでたくさん聞いたるからとりあえずはよ帰ろーや。」

今からもしかすると振られるかもしれないと思うと、怖い、けど、でも。
今の彼の顔はすごく優しくて、あの頃、私に教室を教えてくれたあのときのゾム君と重なったように見えた。

これ以上逃げても仕方ない。友人君の話しもあるかもしれないし、もしかしたら、おんなじ気持ちかもしれない。とにかく、彼の思いを知りたい。
そう思い、彼のとなりを歩く。何度も一緒に帰ってるのに、こんなに静かなのは始めてだな。

ゾム「あのな。俺、最初は、友達がお前のこと好きで、協力しとってん。」

うん。知ってるよ。

ゾム「だから、たくさん色んなこと聞いてん。好きな食べ物とか、得意なこととか。」

うん。そうやね。

ゾム「でもな、聞いていくうちに……俺が好きになってん。」

「……え？」

ゾム「やから、Aのこと、めっちゃ好きになってん。俺。」