折り鶴【ut】 (ページ9)

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八羽ページ9

しばらくの沈黙。捏島さんはずっと、おかしいな…。と仰っている。

どうしてそんなことに？
ふと鬱くんを見ると顔を赤くして下を向いていた。

…もしかして……

「ねぇ、鬱く……」

「鬱くん。うちの娘は分かる通りわがまま娘だ。確かに、幼い頃から知っている君なら支え合える良い家族になるやもしれん。」

「私も。鬱くんはAのことを今まで優しくしてくれていたし、賛成だわ」

お父様も、お母様もにこにこしてらっしゃるけど…

「……お嬢様…僕は、その…」

鬱くんに呼ばれてそちらを向く。とても顔が熱い。

「…貴女を、お慕いしております。よろしければ僕と、結婚して、下さいますか？」

「……」

そんなの、答えは決まってる

「…私もずっとお慕いしておりました！こちらこそお願い致します。」

ーーー

「…A、何を見ているの？」

あれから、私達は結婚し、お父様の仕事をしながら幸せに暮らし始めた。

私がきっとこんなに幸せなのは鬱くんの折り鶴のお陰よね。

「それ、俺の折った鶴やん。懐かしいなぁ」

「ふふ、うん。あっ、そうだわ。これ。」

そう言って私は綺麗に折った鶴を渡す。

「…これからもずっと一緒に。……居てくださる？」

「！…もちろん。」

これからも、幸せで、ありますように。