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「グルッペンだ｡よろしく」
「…ぐぅぺん」
「む､グルッペン､だ」
「ぐる､ぺん｡ぐるっ､ぺん？」
黄金の髪で､銀灰の瞳の少年､グルッペン｡
彼は､いつか､
自分を殺してくれる切っ先になる｡
シャオロンやショッピ､他の子達は刃だ｡
そうか､だから安心したのか｡
見える終わりが､ここにあるから｡
「ギギ」
「？」
「俺たちは､家族だ｡兄弟で､兄で､弟だ｡困った事があったら聞いてくれ｡これから､宜しく」
右手を差し出される｡
自分は徐に手を伸ばし､その手を掴む｡
彼は､満足そうに笑った｡
sideｰgrｰ
第一印象は､危うい奴だった｡
強風に吹かれる蝋燭の火､今にも切れそうな紐､枯れる寸前の花｡
ギギは､そんな感じがした｡
奴の目にあったのは､野生の獣の目｡
何も感じていない様で､警戒を怠ることは無い｡
そんな､悲しくて危険な印象だった｡
だが､そうでも無いのかもしれない｡
今は自己紹介が終わり､各々自由に過ごしている｡
もう少しで昼食の時間だから1つの部屋に皆集まっていた｡
「ギギの髪ほんまフワッフワやん！羨ましいめうー！」
「…」
「弄ってもええ？」
「ｺｸﾝ」
「やっためうー！大先生もやろうやー」
「ええよー」
「…」
決して､自ら話すことは無い｡
だが､醸し出す雰囲気で困っている､戸惑っていることは手に取るようにわかった｡
其れが､とても愛らしいと感じた｡
「守るものが増えたな､グルッペン」
「…そうやな｡勿論､ヴィリス姉さんも入っているぞ」
「おや､それは嬉しいね」
黒の中に赤が輝く｡
太陽のように暖かく､俺たちを見ていてくれる｡
それは､とても心強いのだ｡
だから､守りたい｡
家族を､仲間を､みんなを｡
俺が､絶対守るんや｡
grｰsideｰ終了
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年6月3日 7時
