会議：1 ページ30
それから､1週間｡
街に出掛けたり､家で過ごしたりして俺は色々知る事が出来た｡
まあ､それを話すと長くなるから今は話さないでおく｡
「ギギ､行くぞ」
「ん」
今日は､軍に行ってθ国の情報を教える日だ｡
そして､何故か俺について来たトントンとグルッペンとオスマン｡
「楽しそうだからな！」
「ギギが心配めう」
「2人のお守り」
上からグルッペン､オスマン､トントンである｡
ヴィリスは､苦笑いで頭を抱えていたが､問題は無いそうで5人で行く事になった｡
滞在期間は数日程度｡
帰って来たら､ひとらんらんと畑いじりと動物について教えてもらって､エーミールには本を選んでもらう｡
それに､ゾムとコネシマに俺は体術を教えなければいけないのだ｡
「ギギ､ソワソワしてどうしたん？」
「…帰ってからのことが､楽しみ」
「気が早いな｡出発したばかりやぞ」
戦闘用の義肢と､あの時着ていた服が入っている箱を抱えながら3人と話す｡
ヴィリスは､それを面白そうに見ていて､到着するまで話に混ざることはなかった｡
「ーでは､彼らを囮に？」
「そう｡たまに高性能の爆弾を持たせたりしていた」
カルブ中将とガラヴァ中将､ヴィリスと数名の少将､そして他の将校が集まり会議室で俺の話を聞いていた｡
話す度に､彼らは険しい顔をしていた｡
「…特攻隊について､聞いても？」
「いいけど､日を跨ぐぞ」
「そうか､明日にしよう」
カルブ中将が難しい顔をしながら聞いてきた質問に返すと､彼はすぐに周りの顔を見回しながら返した｡
俺も賛成｡
周りの人も頷いているし｡
それに､その場にいた俺は誰よりも彼等について知っている｡
少しでも､彼らの生きた時間を知ってくれれば､それでいい｡
「ーギギ､」
「…？」
「眠いのか？ぼーっとしていたが」
「…ﾌﾙﾌﾙ」
「眠いんですね｡流石に話しすぎましたね」
窓の外は既に暗く､将校の何人かも欠伸を噛み殺していた｡
全然､気付いてなかった…
「では､今回はここまで｡各自､しっかりと休眠を取ってくれ｡明日は9時から始める」
カルブ中将がそう締め括り､将校達は立ち上がり､敬礼をして会議室を出ていった｡
去り際に頭を撫でていくじゃない､やめろ｡
「…いっぱい､話した」
「そうだな｡疲れただろう？」
「…ちょっと」
「嘘だな？では､カルブ中将､ガラヴァ中将､お疲れ様でした」
「あぁ､おつかれ」
「はい､お疲れ様でした」
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年6月3日 7時
