1日は終わる ページ17
結局､風呂はファニーと入って古着を寝間着として借りた｡
軍曹とヴィリスは申し訳なさそうに謝ってきたが､特に気にしてもなかったので､取り敢えず頭を撫でさせてもらった｡
(アルバートに抱き上げてもらった)
そしたら泣かれた←
「ギギちゃんはどうする？軍曹ちゃんと寝る？」
「ｺｸﾝ」
髪をファニーに乾かして貰っていると､彼女にそう聞かれる｡
考える間もなく､自分は頷く｡
やくそく､したのだから｡
「ふふっ､分かったわ」
ファニーは終始､機嫌良さそうにしていた｡
何となく､こうされるのが心地よく感じた｡
"うれしい"､か｡
それとも､"たのしい"？
…軍曹に聞いてみよう｡
「はい､終わり｡さ､いってらっしゃい」
「ふぁ､にぃ､ありが､とぉ」
「！はい､どう致しまして」
取り付けた義足に不備はなく､歩いても違和感は無い｡
義手は､寝る時は外すように言われたので付けていない｡
軍曹や皆は､多分リビングにいると思った｡
扉に手をかけて､開ける｡
やっぱり､"いてくれた"｡
…？
「ぁ､あがっ､た､！」
｢｢｢？！｣｣｣
声を上げて報告すると､皆が驚いたようにこちらを見る｡
何か､変な事をしただろうか？
「ギギ…そんな大っきい声出せたん…？」
「ふぁにー､が､おしえて､くれた！」
「話せる言葉増えとるやないかぁい…！」
ロボロが驚いたように聞いてきたので､ファニーに教えて貰ったことばを話すと､トントンが嬉しそうな顔でツッコミ？をした｡
心臓がふわふわしている｡
軍曹に聞かなければ｡
「ぐん､そ､」
「…どうしたの？ギギ」
「ここ､ふわふわ､なに？しら､ぁい」
自身の心臓辺りを指差すと､マスクを付けた軍曹はおどろいた様に目を見開く｡
そして､ふ､と目を細めた｡
「それは､多分"楽しい"とか､"嬉しい"だと思う｣
「たの､し､うれし､い？」
「うん｡皆と､誰かといるとなるでしょ？」
「う､ん！」
軍曹が優しく頭を撫でる｡
あ､また｡
心臓がふわふわする｡
「…軍曹はギギにぞっこんだな」
「…姉さんうるさい」
「？」
ヴィリスが何かを言ったようだったが､よく聞こえなかった｡
何と言ったのだろう｡
「…じゃあ､お風呂入ってくる｡待ってて」
「わかっ､た」
軍曹と鬱とトントン､そしてコネシマとシャオロンが着替えを持って風呂に向かった｡
シャオロンの背中が消えた時､後ろからヒョイ､と抱き上げられる｡
「ギギ」
「？」
「明日はもっと忙しくなるぞ」
そう言ってヴィリスは笑っていた｡
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年6月3日 7時
