NARUTO"最後の約束と一雫の奇跡"

第２６話 コンビネーション ページ26

カカシ「サクラッ！」


起爆粘土がサクラの顔の前に現れた。が、


サクラ「！」


向かい側の茂みからナルトが飛び出し、サクラを抱いてその場を離れる。


カカシ「ナルト…！」

ナルト「さっきのは影分身だってばよ！」

サクラ「ありがと」

デイダラ「惜しいっ、うん」

サソリ「デイダラ…下がれ」


三代目風影が両手を広げる。


ナルト「！」

カカシ「くっ」

サソリ「砂鉄時雨！」


雨のように降りかかる砂鉄の群れ。


サクラ「しゃーんなろー!!」


怪力を発揮し、地面を殴る。衝撃波がサソリに向かう。


サソリ「チッ…」


サソリは後退し、三代目風影を端に引っ込ませる。


砂鉄が地面に突き刺さった。


デイダラ「あの女、力強ぇな、うん…」

サソリ「…面倒だ」

ナルト「多重影分身の術!!」


軽く五十人程度のナルトが現れた。


ナルト「いっけえええええ！」

デイダラ「喝！」


辺りに仕込んでいた起爆粘土が影分身を次々に消していく。


デイダラ「!?」

ナルト「螺旋丸!!」


前方の影分身に気を取られていたデイダラは背後に回っていたナルト本体に気付かなかった。


デイダラ「がっ…!!」


螺旋丸の威力をまともに喰らい、近くの木にぶつかり、尚勢いは止まらない。


サソリ「あのバカ…ッ！」

カカシ「雷切！」


サソリはカカシに振り返り、三代目風影を盾にした。


カカシ「く…！」


バキィッと鈍い音が響き渡る。


サソリ「こいつはオレのお気に入りだ。そう簡単に壊せることが出来るような甘い修理はしてねぇよ」

カカシ「硬い…っ！」

サクラ「カカシ先生！しゃーんなろー！」


サクラが駆ける。サソリは一歩下がった。


サソリ「砂鉄界法！」

カカシ「しまっ…」

サクラ「…！」

ナルト「カカシ先生！サクラちゃんっ！」


ナルトが二人の元へ走った。



◇◇◇


A「…」


静かな森の中でAは空を見上げていた。


A「…はぁ」


ペインから尾獣狩りの命令が出されたものの、乗り気はせず、ゆっくり身体を休めていたのだ。


A「わたしが…わたしのせいで…」


大切な人が争うことになったきっかけを作ったのは、紛れもなく自分だった。


サスケがイタチを恨み、憎しみを抱くこと。


イタチが大罪を背負い、大切な弟から憎まれること。


全部、Aが引き金になっていた。


A「…サスケ…ごめんね…っ」


頬を伝う透明な雫が静かにこぼれた。

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