【歌い手×黒バス】やがてその少女の名は語り継がれる (ページ3)

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２話　間違えた☆← ページ3

…そこで少し違和感を感じる。
あの独特のメロディが流れない。
いや、事実的には流れているのだが、ハウトゥー世界征服とは違う。
この、捨てられた子供が泣き叫んでいるような歌は…
『あ…』
すべての合点がつく。
これは東京テディベアだ。
ボタンを押し間違えたのだろう。
だが調度いい。東京テディベアも歌っていないのだ。
リターンボタンを軽く押すと、姿勢にすぐ戻る。
『父さん母さん、今までごめん膝を震わせ、親指しゃぶる…
兄さん姉さん、それじゃあまたね…冴えない靴の踵つぶした！』
～～～～～～～～～～～～～～～～
『…もう何もないよ、何もないよ、引きはがされて…
糸くずの海へとこの細胞も…
そう、僕居ないよ？僕居ないよ！投げ捨てられて
帰る場所すらどこにもないんだよ…
全知全能の言葉をホラ聞かせてよ？
脳みそ以外もういらないとwhynot.Idont'not.
変われないの…？飼われたいのぉ？何もない？こんなの僕じゃないっ！
縫い目はほどけて引きちぎれたあ…
煮え立ったデイズで命日を絶つ、誰だっていいのさ、代わりになれば…』
録音ボタンを押し、録音を切った。ＣＤを取出し、元の場所に戻す。
すると、自持ちのスマホのバイブがなった。その着信主は赤司征十郎とシンプルな書体で浮かんでいた。
スマホで出る。
『もしもし、初島Aです。ただいま留守にしています。ピーッという着信音の後に「Aか？」なんでわかんだよ…』
受話器の向こうからは静かに怒っている赤司の姿が目に浮かぶ。
赤「今すぐ部活に来い。頼む」
『悪いが今は歌い手の活動で。今日はマジで無理』
赤「マネージャーが全員熱中症で倒れた。今回はお前がいなければ無理だ」
『おっけー行くわ』←
男子バスケ部、一人のマネージャーに頼るも断られ、集団死体が見つかる。原因は熱中症とか言われたら困る。
今回はしょうがない。スッゴクしょうがない。
後で黄瀬にアイスをおごってもらうか…←