113話 ページ18
神楽side
そこまで話すとAはケホッと軽い咳をした
私が背中をさするとサドが机に置いてあったお茶のペットボトルをAに渡した
Aは手に力が入らないのか開けるのを少し手こずってる
サドが『開けてやる』とでも言うように手を差し出したけど
Aは「大丈夫です」と小さく呟いた
高杉は何かを考えこむように視線を空に向け、
神威はどこから出したのかスナック菓子をもっさもっさ頬張っていた
A以外誰も言葉を発しなかった
多分それぞれで考えていたから。
私にとっては、Aの話した過去は異常なことに思えた
死んだマミーも私と神威を愛してくれていた
パピーも理由もなく殴ったりしない
でも、AとAのお姉ちゃんにとっては
それが『ふつう』で『いつも』だった
・・・。
だからAは自分がいくら傷ついても何も感じなくなってしまったんだろうか
カタンという音で現実に引き戻された
結局、ペットボトルはサドが開けてあげたらしい
Aが少し不服そうにペットボトルを置く様子を見るに、
多分、頼ろうとしないAに痺れを切らして、無理やり奪い取って開けたんだろう
Aは喉を押さえてコホン、と一つ咳をしてから口を開いた
貴「続けます」
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白猫 - 面白くて一気読みしました!!これからの展開が楽しみです!更新頑張ってください!! (2016年11月19日 11時) (レス) id: 06f3d584d6 (このIDを非表示/違反報告)
REMI - うふす (2016年11月12日 10時) (レス) id: 52dbecf78a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴降り | 作成日時:2016年10月13日 23時