【○魂3z】＿＿＿少女

89話 ページ43

Aside
何で・・・っ・・


殺風景な自分の部屋でただ俯いて唇を噛みしめていた


何で知ってるの？

沖田さんは最初から知っていて私に近づいたの？

いや、もしかしたらあのクラスの人はみんな知っていたのかもしれない

・・・でもそれじゃ辻褄が合わない

じゃあ何？何で？何で知ってる？

神楽さん・・・も知っていたの？

でもさっきの反応はそうは見えなかった

でもあれも演技だとしたら？

・・・分からない


もっとちゃんと聞けばよかった


貴「・・・あ」


気がつけば左手はビリビリに破けた布の残骸みたいなのを持っていた
ピリッとした痛みに右手を見るとカッターの替え刃を素手で握っていた


貴「・・・」


ぽたり、と血が床に垂れて布の残骸―――ぬいぐるみの綿にも染み込んでいく

ミコのものだったぬいぐるみ。


・・・私は何で知られたことでこんなにも焦っているのだろうか

単なる他人だったはずじゃなかったのか

単なる他人にこんなことは思わないはずだ

じゃあ何？

今のあの二人は私にとっての何？

　



　

　


貴「・・・・・・・・・・・・・・・・・
そっか」

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