【ボカロ】 桜音 【短編集】

鏡音リント　〜バレンタインチョコ〜 ページ8

２月１４日。今日はバレンタインデー。…らしい。
朝からヤバいんだよね、女達が。

「キャーリント〜///」
「私のチョコもらって―///」

断然、僕は完璧、全部拒否ね。
そんな僕だけど、一人だけ、この人にチョコが欲しい。そう思える人がいた。

ガチャッ


リ「ただいま〜」

貴「あっ、お帰り、リント」

リ「んー…」

貴「外、寒かったよね？ごめんね、ライブいけなくて」

リ「いいよ、それに僕と外歩くと大変だよ、女達が」

貴「モテますなー」

リ「モテたって、好きな奴から本命もらえなきゃ意味ねーって///」


好きな奴…まだ言えてないんだよね。Aが好きだって。
今日はバレンタインデーだろ？
そろそろいいんじゃないかな…。


リ「あのさ、A…」

貴「ん？あ、あぁ！お腹すいたよね、今作るから待っててね」


最近って言っても２、３日Aは僕を避けてるような気がする。
何か紙に書いてて、僕がのぞこうとするとさっとその紙をひっこめたり、料理本を見てることを隠したり。


リ「ふう、やっぱりAの料理はうまいな」

貴「そう？ありがと///」

リ「昼寝するわ」

貴「あ、私も寝る！」

リ「やっぱやめる」

貴「私もやめた！」

リ「え、なんなの！？」

貴「えーっと、はい///」

リ「何、これ///」

貴「何！？わかるでしょ？///」


分かってるよ。あれだろ、チョ、チョコレート…。
問題は…


リ「いや、何かはわかるよ、チョコだろ？」

貴「うん」

リ「本命？///」

貴「チョコレート」

リ「いや、チョコは分かってるから！！」

貴「あー、うん///」

リ「本命なの？」

貴「だからそうって言ってるじゃん///」

リ「ちゃんと言えよ」

貴「リンとが行ってくれたり言う///」

リ「Aが行ってくれたら言う///」


「じゃーんけーんぽんっ！」


貴…チョキ
リ…グー


貴「わ、私は、リンとの事が…好きです！///」

リ「そうなんだ？いい響きだね。あと１０回」

貴「えっ、返事はないの？///」

リ「はいはい、後でね〜。ほら、あと１０回だってば」

貴「もう知らないっ！///」



グイっ



貴「うわあっ///」

リ「ほら、僕に抱かれて顔赤くして、な？もっと言えよ、リントの事が好きですって」

貴「///」



チュッ



リ「早く言わないと、このまま襲っちゃうよ？」





こんな行動とらせておいて、返事なんていまさらいらないでしょ…？
それとも言ってほしいの？///


「僕もAの事が好きだ///」

って…。

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