【歌い手】暗殺者の異端日 (ページ8)

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06　引っ越しページ8

「え?なんで調べるの?だって国がいいって言ったんでしょ?すぐに…」
「そんなに皆に気付かれる様にしたら何故殺した人を有罪にしないのかとか罪に問わないのかとかなる」
「……!そっか!」
「殆どの場合は行方不明か事故にする。行方不明で済むならそれで、行方不明になんなそうな人は事故に仕立てる」
「それを一日で練るの?」
「……フフ…勿論」

　これは危険と隣り合わせだ。
　国との指令で言われればどんなに危険でもやらなければいけない。
　例え、殺したと罰せられたとしてもだ。
　それでもある秘密を知ったら政府の犬に成り下がるか…暗殺されるかだ。
　政府の犬になれば、毎月の様に議員と同じだけの給料、更に自分で稼いだお金が手に入る。
　……いいのらや悪い之やら。

　この家はマンション。住んでいる部屋番号は802。このマンションは10階建て。近くに6階以上の建物はない。屋上は立入禁止ではない。801、802号室だけドアの近くが窪んでいて周りからは見えない。窓は玄関以外の部屋全てにある。

　……こんなに好条件の依頼は初めてだ。

「どうやら、明日依頼はこなせそうだよ」
「え!?も、もう!?」
「うん。でも96の引っ越ししてないから明後日だな♪」
「ひ、引っ越すって…?」
「96は私の仲間になるの。仲間が同じ家に住まなくてどうする?」

　仲間として色々な事を教えたから家に帰って逃げられたら困る、だ。
　しかし、頭が弱い彼女は気付かないようで…。

「ほ、ほんと!?私、一緒に誰かと住みたかった!!夢が叶った!!」

　呑気に悠々と楽しんでいた。

「それは良かった。まだ午前中だから今にする?」
「え?まだ午前中!?…引っ越すぞー!」
「了解」

　そんな感じで、引っ越しをする事にした。
　普通は事前に頼まなければ引っ越しは出来ない。しかし、俺の情報網で友人の引っ越し屋に頼んで貰った。
　あ、社長な。