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勇作はAの顔を見てにっこり笑う。
普段室内でも軍帽を被っているのだろうか?
口元だけしかよく見えないが、優しそうな声色で、周りの人達とは違い本当に好青年さが伺える。
｢あなたが、与田賀A上等兵でしたか｣
｢……は、はい｣
｢貴方が厩舎にいた馬を乗りこなしたと、兄様から聞きました｣
｢……何?｣
｢ｱｯ｣
勇作がそういうと、月島は一瞬Aを睨んだ。
まさかお前、また勝手なことをしたな……?
あまりにも鋭い眼光に思わず立ち竦む。
あれは鯉登少尉が、と慌てて言い訳をすると余計怒られそうな雰囲気になってしまった。
｢……自分が馬術を習得していると鶴見中尉から聞いたみたいで、検証させられたというかなんというか……｣
｢あの馬は気性が荒く、扱いにくいと言われていので、さぞ屈強な方が乗りこなしたのだろうと思っていたのですが……｣
勇作はそう言ってまた優しく笑った。
自分の部下がほぼ勝手に色々していたと言うにも関わらず、特に怒ったりすることはなかった。
むしろ少尉よりも軍曹の方がご機嫌ナナメである。
というか、とAはふとあることに気づく。
｢……兄様って、花沢少尉には御兄弟がいらっしゃるんですか?｣
｢ええ、あなたと同じ階級の尾形百之助上等兵が私の兄にあたります｣
｢……尾形、百之助……?｣
数十秒間静寂が訪れる。
唐突に出された尾形の名前にAは思わず開いた口が塞がらなかった。
目を見開き、嘘だろと言わんばかりにその場で固まる。
驚きのあまり声も出なくなってしまった。
｢ふふ、驚くのも無理ありません。兄様はあまりそういった家族関係などお話しになっていなかったみたいですね｣
｢お、お話しになるも何も……まさか弟君がいらっしゃるとは……｣
｢弟君だなんてそんな、畏まらないでください｣
ひぇ〜尾形さんの弟とはまるで思えない……!
Aはまるで対応の違いに改めて少尉に感心した。
そこでずっと黙っていた月島がようやく口を開く。
｢花沢少尉殿は、これから夕餉ですか?｣
｢いえ、ちょうど済ませたところです。そこでお2人にお会いしたので、つい声を掛けてしまいました｣
せっかくの料理も冷めてしまう、と勇作はそういうと軽く挨拶をして食堂から出ていってしまった。
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セミ⭐︎ - 勿論です！杉元やゲンジロちゃんとの絡み楽しみにしております！無理せず頑張ってください！応援しています！ (3月21日 17時) (
レス) @page38 id: 31ded6a35d (このIDを非表示/違反報告)
＊泡沫＊(プロフ) - セミ⭐︎さん» コメントありがとうございます!私も結構箱推しなところもあるのですが杉本や月島さん、ゲンジロちゃんが活躍する回は特に好きです。作品が良い結末となるようこれからも精進いたしますのでぜひよろしくお願いします! (3月21日 15時) (レス) id: 5b050bb58b (このIDを非表示/違反報告)
セミ⭐︎ - やばいめちゃめちゃ好きです！この作品が尊いです！ところで、泡沫さんの推しは誰ですか？自分は、かなり多いのですがその中でもトップを飾るのは尾形と杉元です！更新お待ちしております！ありがとう！！ (3月20日 15時) (レス) @page38 id: 31ded6a35d (このIDを非表示/違反報告)
＊泡沫＊(プロフ) - 【作者より 読者の皆様へ】『夜鷹の桜』を読んで下さりありがとうございます!まだ未定ではありますが新たに小説を別ジャンルで書きたいなと考えております。また詳細が決まり次第改めてお知らせさせていただきますので気長にお待ちいただけると幸いです! (3月18日 5時) (レス) id: 5b050bb58b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊泡沫＊ | 作成日時：2024年1月7日 6時
