絶 望 の 宝 【 歌 い 手 】

5話 ページ6

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「...悠太」


彼、とは今絶賛人気上昇中の歌い手_Eve_の事だ。
幼馴染みで、幼稚園からずっと同じクラス。


「A久しぶり〜、そらるさんは元気？」


そらる、...？誰の事だろう？
すると悠太はエ？と言うような顔をした、


「あ、あぁぁぁなんでもないっ！ところで...ずっとお腹抱えてるけど、お腹痛いの？」


悠太は病院いく？とか彼方に連絡するよーとか。色々言ってくれた。


「ううん、大丈夫。彼方は今...し、ごと中だから...っ」

「そっか。...で終わるわけないでしょ、彼方さんと何があったの？」


答える訳ないでしょ...
と、そこにタイミングの悪いことに彼方とこの前の女の子が反対の歩道にいた。


「あれ。私と彼方はあの女によって離婚する事を決めたんですよ伊吹くん」


と、私は二人を指差して言った。


「ふーん...A、明日、午後の一時に○○公園に来れる？来れたら来てね。」


悠太...いや、Eveはそういって彼方達の後を追った。

なんで、こんなことしてるの。

佐藤ゆい、ちゃん...


．


ゆいちゃんと私はもともと同じカフェで働いていた。

私と彼方が出会ったのもそこのカフェでバイトしてたから。

ある日、ゆいちゃんは私に相談がある、といって彼方が好きになったという話を聞かされた。

私はゆいちゃんなら大丈夫だよ、それだけ告げてゆいちゃんと別れた。

...しかし、彼方に告白されたのだ。私そこでokを出して彼方と付き合い始めたのだが、...

どこで聞いたのかわからないがゆいちゃんが私と彼方が付き合ったという事を知って、

軽いいじめがスタートした。

限界になった私は誰にも言わず、静かに仕事をやめたのだ。


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