その4 ページ4
「あ、せやシフト時間すぎたし頃合いみてあがり」
「了解です」
関西人特有のテンポいい会話のうちに録画をUSBに移す。
USBをケースにしまい、なくさないように豚がでかでかと縫われた巾着にいれる。
豚は俺。俺は豚。天使が
店長は天使さんの名前を知っているらしいが、俺は未だに聞け出せずにいる。
店長に聞こうにも「それくらい自分で聞かな男やない」と言われる始末。因みに店長と先輩には何故かオタバレしている。何か知らんがバレた。なんでや。
桃瀬くん?と店長に軽く圧をかけられ、いそいそと自分の名前の書かれたプレートが提げてあるロッカーまで行く。
手早く身支度をすませ、店長と表に出ていた先輩に一言かけて店を出た。
コンビニ裏に停めてある自転車に乗り帰路を急ぐ。
すっかり日も暮れ、辺りは少し薄暗い。ほぅ、と一息つけばたちまち白くなる息。
店内との気温差に内心驚きつつも、家に帰ってからのことを考えれば途端に暖かくなる身体。
早くUSBをパソコンに繋いで、バックアップとって、なんなら画質良くして……画質多少荒くてもそれはそれで興奮するけど、やっぱり綺麗に越したことないやん?
こういう時、機械に強くて良かったなとしみじみ思う。まさか編集以外に役立つとは。人生何が起きるか分からないとはよく言ったものだ。
家から徒歩10分程のところにあるコンビニは、なんとも通いやすい。
我が家であるマンションの駐輪所に自転車を停め、小走りでエレベーターに向かう。
あー、家が隣とかいうミラクル起きねえかな。無理か。
ぼんやりとそんなことを考えつつ、部屋の鍵を開ける。
4階の角部屋であるこの部屋は、下部屋に人が居らず、実況を撮る部屋として最適だったり。上の部屋に関しては何やら物置らしく、そもそも人が住めない、とのことだが。
隣は空き部屋。
つい半年前まであの闇黒魔人が住んでいたのだが、部屋に虫がいたとかで引っ越して行った。ついでだし、と割と高めのマンションを購入したらしい。あいつ金持ちすぎだろ。
そう言えばあいつの家も反対だけどコンビニに近かったなぁ。
「げっ、もうこんな時間やん……寝よ」
明日からはまた仕事。仕事仕事、仕事尽くし。
天使と別れたばかりなのに、もう会いたい。なにかが狂って天使と朝チュンとかない? ないって? ないかあ……。
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さとう。(プロフ) - モカ豆◎mokaさん» ありがとうございます…!! (2020年6月28日 14時) (レス) id: 15c53c1034 (このIDを非表示/違反報告)
モカ豆◎moka(プロフ) - とっても面白いです!神作ですね!これからも頑張ってください!応援してます!! (2020年6月28日 12時) (レス) id: b1ca2eff18 (このIDを非表示/違反報告)
さとう。(プロフ) - ちくわたろーさん» ありがとうございます……!!凄く嬉しいです;; モチベになります、頑張ります!! (2020年6月26日 20時) (レス) id: 15c53c1034 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわたろー(プロフ) - はわわわっ、神作の予感しかしない……。ぐっ、作者様好きです…。更新待っておりますっ!!頑張って下さいっ!!! (2020年6月26日 18時) (レス) id: 8347c78c1d (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - さとう。さん» 言ったからね、スクショしました! (2020年6月26日 18時) (レス) id: ba86ab62db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さとう。 | 作成日時:2020年6月26日 7時