その2 ページ2
「…あ、忘れ物してはる」
ふとお釣りトレーの隣に置かれていたハンカチに気づく。黒い布地に金の糸で蝶が刺繍されている、綺麗なハンカチ。
さて、どうしたものか。このまま置いておくことも出来るはずがないし、かと言って追いかけるのもちょっと。
生憎一昔前のような肉食的男子ではないもので、気恥しさが勝ってしまう。
……うーん、仕方がない。取り敢えず、次回来店されるまで保管しておこう。
割と近所に住んでいるのだから、近いうちにまた来る、はず。…最近引っ越されたから微妙なところだ。最も、日曜日には必ず来る方なのだけれど。
ホコリのつかないように、ハンカチを近場にあったフクロにいれる。
フクロの上からでも分かる刺繍の細やかさに思わず見蕩れる。
随分と高そうやし誰かからの贈り物？ はえー、友人さんはセンスがよろしいことで…。
友人と言えば、そろそろ1月の半ば。つまりは某大先生の誕生日である。
ネクタイも腕時計も贈ったし、今年はハンカチにしようか、と手元にある忘れ物を見ながら考える。
ぶっちゃけアイツが1番喜ぶものとかｙTunesカードだろ。
つい先日にあった毎年の年末年始イベで溶かしまくったのに、うんともすんとも出なかった、とか嘆いとったしな。知らんけど。
他にアイツが喜ぶもの……？
「……女…？」
いやいやいや。流石に誕生日に友人から女が贈られてきたら、それこそトラウマものだ。
あぁでも、どこぞのチワワはちゃんとしたプレゼントと共に適当な女の連絡先を贈っていたことがあったな。
次第にこんがらがってきた頭にストップをかけ、ひとまず休ませる。
バイト中にアイツらのこと考えるのはあかんな。
いつの間にか前に居た、ペットボトルコーナーで談笑していたオネーサンらの会計を手早く済ませ、頭を休ませるため一旦無の時間をつくることにした。
＿＿
「桃瀬くん、交代。」
「了解です」
しばらくして、控え室から出てきた先輩と入れ替わりで部屋の中へ入る。随分とご機嫌な先輩は、バイト前にでも良いことがあったのだろうか。
彼女……はないか。あの人興味無いしなそういうの。
仕事が終わったからか、浮き足立った考え事をしてしまう。
にやける頬を抑えつつ、控え室に足を進めた。
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さとう。(プロフ) - モカ豆◎mokaさん» ありがとうございます…！！ (2020年6月28日 14時) (
レス) id: 15c53c1034 (このIDを非表示/違反報告)
モカ豆◎moka(プロフ) - とっても面白いです！神作ですね！これからも頑張ってください！応援してます！！ (2020年6月28日 12時) (レス) id: b1ca2eff18 (このIDを非表示/違反報告)
さとう。(プロフ) - ちくわたろーさん» ありがとうございます……！！凄く嬉しいです;; モチベになります、頑張ります！！ (2020年6月26日 20時) (レス) id: 15c53c1034 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわたろー(プロフ) - はわわわっ、神作の予感しかしない……。ぐっ、作者様好きです…。更新待っておりますっ！！頑張って下さいっ！！！ (2020年6月26日 18時) (レス) id: 8347c78c1d (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - さとう。さん» 言ったからね、スクショしました！ (2020年6月26日 18時) (レス) id: ba86ab62db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとう。 | 作成日時：2020年6月26日 7時
