年上彼氏に溺愛されていますⅢ【センラ】 (ページ2)

今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:14,627 hit

おかえりページ2

お昼前。センラさんに自宅前まで送ってもらい、別れた私はふわふわと覚束ない足取りで自宅の前までたどり着いた。インターホンを鳴らせば、聞き慣れた機械音が響き、ほんの少し現実に引き戻された気持ちになり、ホッとする。

「おかえりなさい」

既に帰宅していたらしい、姉が扉を開けて出迎えてくれる。

『…ただいま』

何やら気恥ずかしくなってしまい、小さな声でしか答えることができない。私の気持ちを知ってか、姉は笑いながら「突っ立ってないで早く入りな」と促してくれる。

「デート、楽しかった？」
『…うん』
「表情見てる限り大丈夫だとは思ったけど、それなら良かったわ。ほら、座ってなさい。今お茶出してあげるから」
『あ、ありがとう、お姉ちゃん』
「ふふ、そこは姉ですから」

昨日見た向日葵畑の話や定食屋さんのお話など、他愛もない会話をしながら姉が淹れてくれたのは蜂蜜入りの紅茶。

「喉は大丈夫そうだけど、念のため、ね？」

悪戯っぽく笑う姉に、私は再び恥ずかしさのあまり崩れ落ちそうになった。そんな私を姉はテーブルの向かいに座り、頬杖をついてニヤニヤしながら眺めてくる。

「ふふ、でもAったら一段と綺麗になっちゃって」
『そう、かな…？』
「そうよ！人はね、愛されると綺麗になれるの。自分に自信を持つことができるから、かしら。ほら、お母さんもいつも綺麗でしょ？」
『確かに！』

娘の目から見ても父から溺愛されている母は、娘が2人いるとは思えないくらいに若くて綺麗だ。授業参観などでも「お姉ちゃんだと思った」と同級生に言われた回数は数えきれない。

「だからね、私はAが折原さんみたいな素敵な人に出会えて、本当に良かったと思う」
『うん。私もそう思う』

私は緩む頬を抑えることができないまま、姉と微笑み合ったのだった。

＊＊＊
皆様、お久しぶりです。覚えていらっしゃるでしょうか…(震え声)
またボチボチ執筆再開していこうと思います！