名前 ページ6
何とか「歌い手」の事を理解したところで、浦田さん達に認識が合っているかの答え合わせをしてもらう。
「なんだか学校みたいだな」
『ふふ、ですね』
浦田さんは最初怖い印象があったが、話してみるととても優しい人だと分かり、とても喋りやすい人だった。
「なあAちゃん、先生って呼んでみてくれへん？」
『先生、ですか？』
「そう。志麻せんせぇって呼んでみて」
「まーしぃ！下心バレバレですよ！」
『ええと…？志麻先生？』
「んふ、よく出来ました」
「まーしぃー！」
一方、志麻さんは今日だけで2回も助けてもらっているし、センラと仲睦まじい(？)姿を何度かお見かけしたお陰で、安心感をもって話す事が出来る。
何を考えているのか、ちょっと分からない所もあるけど。
『月崎さんは…』
「志麻でええよ」
『ですが…』
「Aちゃん、こんな奴なんて黒子でええんやで！」
『折原さん、それは流石に…』
「っていうか、そもそも！彼氏よりも先に下の名前呼ばせるなんて許しまへん！」
ビシリと言い切った折原さんを見て、浦田さんはやれやれといった様子で溜め息をついた。
「なら、今から呼んでもらえばいいんじゃないか？」
『えっ…』
「うらたん、名案や！Aちゃん、今日から下の名前で呼んでな？もし間違えたら…」
『ま、間違えたら…？』
折原さんのニヤリとした笑い方に嫌な予感がするも、おずおずと尋ねる事しかできない。
「間違える度に、Aちゃんからキスしてもらおかなぁ」
『っ？！？！』
予想以上の無理難題に私の頭は一瞬真っ白になった後、驚きのあまり声なき悲鳴を上げてしまう。同時に身体を後ろに下げると、椅子がガタリと音を立て、その音に驚き肩を震わせる。もうプチパニック状態だ。
「センラ、いじめ過ぎるな」
「うらたんはAちゃんに随分甘いですねぇ？」
「センラの話が本当なら8つも年が離れた女性を苛めるのは可哀想だろ」
『うらたさん…』
「ちょっ、Aちゃん？！アカンで？！たとえうらたんでもAちゃんは譲れへん！」
浦田さんの優しさに感動したら、折原さんが突然動揺し始めた。私の視界を遮るように両手をじたばたと振りながら身を乗り出そうとしてくる。けれど、そのせいでテーブルの上に置いてあるコップが今にも倒れそうになっていた。
『折原さん、危ないですよ』
コップをそっと移動させた後、私はちょっと傷付いた顔をした折原さんに微笑みかける。
『それと、私は折原さんに一途ですから。心配しないで下さい』
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妃花里(プロフ) - 夢主ちゃんと誕生日一緒！ (9月3日 23時) (
レス) @page12 id: 5ce3102dbd (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - さざんかさん» さざんかさん、コメントありがとうございます！数ある作品の中から2度も見つけ出して頂いて本当にありがとうございます。続きも現在準備しておりますので、今しばらくお待ちください。 (2023年1月24日 13時) (レス) id: a61a4998db (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - いつの日か、この作品に初めてであってとてもキュンキュンしたのを覚えてます。ふと思い出して読みたくなって、やっと見つけました。改めて全部読んでまたドキドキして、やっぱりこの作品、大好きです。良ければ続き、待ってます。 (2023年1月23日 1時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
サチ(プロフ) - ずっとずっと待ってます。 (2022年10月3日 14時) (レス) @page49 id: 3812196784 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リナさん» リナさん、コメントありがとうございます！お返事が遅くなり申し訳ございません…！ 亀更新ではございますが、応援を励みに頑張って参ります！ これからもよろしくお願いします (2021年9月27日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年12月21日 3時
