席替え ページ7
お手洗いで火照った顔を冷まして個室に戻ると、折原さんはまだ戻って来ていなかった。
そして予想通り、席替えが行われており、私の座っていた場所は友華ちゃんが座っていた。
「あ、Aはそこね」
何処に座ろうか視線を彷徨わせていると、瑠璃から声を掛けられた。示された場所は瑠璃の斜め向かい側、一番奥の席。
折原さんの席とは対角線で一番遠くなってしまったし、隣の一輝さんは私に背を向けて香織ちゃんとお話しているので、完全に孤立してしまった。
(ウーロン茶頼んでおいて良かった…)
目の前の枝豆をちびちびつまみながら、ぼんやり時間を過ごす。やはり合コンなんて来るべきではなかった、と一人反省会を開いていたら、入り口の方から柔らかな関西弁が聞こえた。
「あれ？いつの間に席変わったん？」
折原さんがパチパチと目を瞬かせている姿にまた胸がキュンとして、でも距離の遠さに苦しくなって、目を伏せた。
「折原さんの席は変わってないですよー！どうぞ！」
「んー…折角やから僕も席移動させてもらいますわー。奥行くね？」
視界の隅で折原さんが移動する気配がする。だけど、私には関係が無い…はず。そう思いながら、ウーロン茶を一口飲もうと僅かに視線を上げると、折原さんが私の前を通過し、後ろを通り、そして―――
「一樹、間あけてくれや〜」
「え、はい…？」
何故か折原さんは私の隣に座りに来た。驚きのあまり、私はまじまじと折原さんの顔を眺めてしまう。
「ん？どうしたん？何か顔に付いてます？」
『い、いえ…』
「えー、折原さんこっち来てよ！」
「つまんなーい」
友華ちゃんと香織ちゃんの視線がズキズキと突き刺さって痛い。折原さんが隣に来てくれた事は嬉しいけれど、女子たちからの目線が怖すぎて、そわそわしてしまう。
「さっきは飲み物、ありがとなぁ。お陰で助かったわ」
『いえ…！こちらこそ最初、ありがとうございました』
「ええのええの。お酒弱いん？」
『いえ、まだ20歳になっていないので…』
「へえ、ちゃんと法律守ってんのや。偉いなぁ」
「Aってほんと真面目だよねー」
折原さんは誉めてくれたけど、瑠璃の嫌みったらしい言い方には少し傷付いた。だけど、このやり取りももう慣れたものだ。
『いつも我儘言ってごめんね』
「ほんとだよ、もう〜！」
「瑠璃優しいねー」
私が謝って、瑠璃が許して、瑠璃のお友達が瑠璃をよいしょして。お決まりのパターンに、私はもう何の感情も湧かなくなっている。
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
