悪戯心(センラside) ページ20
接待並みに気を遣って過ごした飲み会後。二次会に行こうと騒ぐ拓海たちを放置して、俺は志麻君に連絡を入れていた。ふとAちゃんを見ると、Aちゃんも帰り支度をしているようだった。
「あれ、Aちゃんは2次会行かへんの？」
『あっ…はい………』
まあ、この面子で行ってもAちゃんは楽しくないだろうし、賢明な判断だと言えるだろう。
それなら、二次会に行かないのは俺とAちゃんだけの2人だけになる。そこで俺は1つの悪戯を思いついた。一度言ってみたかったその台詞を彼女に言ってみよう。照れ屋な彼女はどんな反応をしてくれるだろうか。
「なら、俺と一緒に抜け出そか」
『っ！？』
結果は予想通りかそれ以上。Aちゃんは顔を真っ赤にして、耳を押さえながらこちらを恨めし気に見てきた。けどな、Aちゃん？そんな上目遣いに潤んだ目で見てもちっとも怖くないからな？
…好きな子ほどいじめたくなってしまうけど、これ以上はアカンかな。
『い、今の…』
「んふふ、さ、行こー。皆、今日はありがとうございました〜」
さて、帰ると決まっているならば早めに退散しなければ、絡まれるのは必至だ。俺は懐から諭吉さんを3枚程出し、拓海に「残りは男だけで割り勘せえよ？」と耳打ちしてから、Aちゃんとキャリーケースを持って個室を出た。
Aちゃんは呆然とした様子で大人しく俺について来たが、店の外に出た頃にハッと意識を取り戻していた。
「あっお金…払ってない！」
『ん？あ、全部奢ったから気にせんでええよ〜』
「えっ、全部？！」
慌てて財布を探す彼女を心配させないようにフォローする。…正確に言うと俺が全部払ったわけじゃないが、男たちだけで払っているから、あながち間違ってはいないだろう。
「せ、せめて私の分だけでも…！」
『女の子からお代は貰えんよ。気持ちだけ受け取っとくな？』
普通の女子ならば、ここでお財布をしまうだろうに、Aちゃんは何と自分の分だけでも払うと言ってきた。もうこの子は俺をどこまで惚れさせれば気が済むのやろうか。そんな事を考えながら、俺はもう一度彼女の頭を撫でた。
『このままお別れは寂しいし、折角やからお家まで送ろうか？』
「いえ、そこまでしていただくわけには…！」
『えー僕が寂しいんやけど。…駄目？』
「駄目、じゃないです…」
何とか彼女と過ごす時間を引き延ばしたくて、我儘を言えば彼女は了承してくれた。俺はスキップしたくなる気持ちを抑えながら駐車場へと向かうのだった。
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
