ピンチヒッター（センラside） ページ16
「折原先輩、今夜お暇ですか〜？」
大型プロジェクトの関係で、毎週のように東京の本社に出張していたある日。大学の後輩であり、会社の後輩でもある拓海にしつこく誘われ、渋々参加した合コンで―――君に出会った。
合コンに参加している女の子たちは、派手好きな拓海が好きそうな派手な女の子たちばかりだった。
個室に入った瞬間、女の子たちのつけているであろう香水の混ざった匂いが鼻に届き、顔が歪みそうになる。
営業用の笑顔を貼り付けながら、ひとまず席に着くと、目の前には他の3人とは雰囲気が違う女の子が座っていることに気が付いた。他の3人に比べて、上品な花柄の服に黄色のカーディガンを着た彼女は、この中で一番普通そうに見えた。
(でもこんな場に来るって事は、大人しそうに見えて結構遊んでるんやろか)
失礼ながらもそんな事を考えていると、店員さんが飲み物の注文を取りにやって来た。
拓海が生を頼もうとしていたけど、俺はこの後志麻君の家に泊めてもらう為に車に乗らなあかんのよな…
どう切り出そうかと迷ってると、目の前の彼女が急に顔を上げた。
「あっ…！」
何かを言いかけた彼女だったが、すぐにキュッと唇を噛み締めて、視線を彷徨わせ始めた。
『どうしたん？』
「あっ、えっと…」
もごもごと口を動かす彼女を見て、飲み会の百戦錬磨の俺が察せないわけがなかった。
『もしかして、お酒飲めへんの？』
「っ！！…っ、はい…」
『なんや、それなら何飲む？』
何で分かったんだ、という驚いた顔をした後、一瞬だけ泣きそうな顔をしていたのが妙に印象的で、俺は出来るだけ優しい声で彼女に話しかけた。
「え、あ、えっと…じゃあウーロン茶で…」
「かしこまりましたー！生7つとウーロン茶で！」
『いや、僕もウーロン茶で』
「かしこまりましたー！少々お待ちください！」
彼女に便乗して、自分もソフトドリンクを頼むと、向かいの彼女が申し訳なさそうな視線を寄越して来た。
(そんな申し訳なさそうにせぇへんでも…むしろ俺は便乗した側なのになぁ…)
出会ってたった数分だけど、彼女が根からの良い子だと感じた。これが演技だったら、もうセンラは脱帽やわ。
＊＊＊＊＊
ここからしばらくセンラさんsideを書きます…！
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
